人の心に灯をともす 4101 お前、アホやから吉本行かすぞ

【お前、アホやから吉本行かすぞ】4101



吉本興業会長、大崎洋氏の心に響く言葉より…


吉本に入ってもう42年かな。

あと何年生きるかもわからん年になって、「自分はそもそも何をしたかったんやろう?」って思うようになったんですよ。

もともと特にお笑いの仕事がやりたくて吉本に入ったわけでもないし。

岡八郎さんや笑福亭仁鶴(にかく)さんをみておもろいなって笑ってたから、なんとなく入ってしもただけでね。


僕は、挫折と言うと大げさやけど、気楽な挫折してるんですよ。

子どもの頃、そろばん習っても、帰りにおでんを買い食いするだけが目的になって、すぐやめてしまった。

以来、何もなしとげたことがない。

習字を習っても、字を書くより、いかに墨を濃くすれるか熱中しただけで終わった。

自分で習いたいって始めたギターも、ドラムも、英会話も全部続かんかった。


中学の時に入った水泳部も、高校の時に入ったサッカー部も、途中で退部。

もっとうまいヤツやもっと凄いのがいる。

自分はそこまでなられへんと思ったら、そこでイヤになる。

本を読んでも、「坂口安吾、何歳の時にこの作品を書いたんや」と思うと、自分にはそんなことはでけへんとすぐ諦めてしまう。


大学受験も2回失敗しました。

自慢やないけど、中高6年間の定期テストは、全部カンニングで切り抜けまして。

自分は鉄壁のリスク管理ができているといい気になってたら、肝心の大学受験の時になって、ほんまの学力がないとどうにもならんことにやっと気がついた。

1年目に受けたのが、広島大学と、日大の芸術学部。

広島はええ町やなぁと土地が好きやったから受けただけなんですけどね。


試験の前日にラブホテルにひとり泊まって、その時に高1の地理の総まとめをやっと見たという状態では受かるわけもない。

白紙の答案用紙が恥ずかしかったんで、落書きをいっぱいして提出しただけで終わりました。

結局、現役の時も、1浪目もどこも受からず。

2浪目の時も、途中まではパチンコしたりして遊んでたんですけど、ふっと「今度すべったら、高校2回行くと一緒や」と気づいた。

現役で東大行く人だっているのに、「人間、こんな短い年数でこれだけ差が開くんや」と、しみじみ感心したりして。


やっとちょっと勉強して、2浪して入ったんが、関西(かんさい)大学社会学部でした。

そこを、留年危機を何度も味わいながら、なんとか4年で卒業した。


僕は子どもの頃から「お前、アホやから吉本行かすぞ」と親に言われてたんですけど、その後、ほんまに吉本に入って。

それもコネで入ったやけどね。

それから42年が経ちました。


吉本に入ってからは、朝も昼も夜中もなく、仕事やってきて。

気がついたら社長になって、会長になって。

66歳(1953年7月生まれ)になったいま、自分はほんまは何がしたかったんやろうと考えるようになったんです。

年いけばいくほど、平凡がいちばん素晴らしい、ありがたいと思うようになるんですね。

普通の結婚をして、普通に朝御飯や晩御飯を子どもたちと食べて、近所の銭湯に行って、みたいな生活したかったなぁとも思うんですよ。


僕は吉本で月1回しか家に帰らんような仕事ばっかりの生活をしているうちに、嫁さんはもう死んでしまった。

「ああ、平凡ってありがたかったんやなぁ」といまになって思います。

もちろん、サラリーマン生活も、これまでの人生も楽しかったんですけどね。


最近、好きな言葉があって、それは「約束」という言葉。

ええ言葉ですよね、「約束」。

66年の人生でいっぱい約束したなぁ。

つきあってたおネーチャンに、「一生一緒におろなぁ」と約束したり。

ダウンタウンの松本(人志)に「世界一になろうな」と約束したり。

他にもいろんなタレントそれぞれに、あるいは社員に、元嫁に、息子に、いろんな人に軽々しく約束したんですけど、なかなかそれが守れなくて。


このままじゃ、嘘八百の人生になってしまうから。

ひとつずつでも、約束したことを実現していけたらなぁと思ってるんです。

それが、これからのやりたいことなんですね。


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本書は、「ビリギャル」の著者坪田信貴氏との対談本だ。

坪田氏は、キンコンの西野亮廣氏から紹介されたという。

キンコンの西野氏が「テレビに出たくない」とか「吉本を辞めたがっている」という噂が飛んだとき、「西野くん、メシ食おう」と大崎氏が声をかけたという。

そしたら、別に辞めたがってわけでもなんでもなくて、2時間ぐらい、わぁって楽しくしゃべってたところ、帰り際に「大崎さん、坪田さんって人に会ったほうがいいですよ」と教えてくれたという。

その場で、坪田さんの携帯電話の番号聞いてすぐ電話して、「ご飯食べませんか?」と誘ったのが発端だ。



すごい一流の人は、威張らない。

たとえ年下であろうが誰であろうが、教えてくれたことに素直に反応し、それを自分の糧とする。

そして飄々(ひょひょう)としていて、軽みがあって、自分のことも、あっけらかんとオープンに話す。

人はそういう人に、吸い寄せられるように、魅入(みい)られる。


本書の帯にある島田紳助氏の言葉が胸に響く。

《知ったかぶりしない

貯金もたいして無い

出世欲もなかったのに

吉本の会長に

他におらんかったんか?

おらんかったな…》


波乱万丈の果ての言葉…

「ああ、平凡ってありがたかったんやなぁ」

平凡な毎日の幸せに、心から感謝する人でありたい。






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