人の心に灯をともす 5530 幸福も不幸もない

【幸福も不幸もない】5530



浜松医科大学名誉教授、高田明和氏の心に響く言葉より…


《運命は我々に幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。》(フランスの思想家・モンテーニュ)



私は味と大脳の味覚中枢の研究をしています。

舌に砂糖、塩、酢、からしなどを混ぜて載せ、神経の反応を見ます。


すると、驚くことに、人によって反応がまったく違うのです。

同じ素材をおいしいと感じるか、まずいと思うかという味覚は先天的な感覚ではなく、教育、文化、環境などの影響を強く受けるようなのです。

子供の頃はとてもまずくて食べられなかった食べ物を、大人になると「こんなにおいしいものはない」と好むようになる例はいくらでもあります。


おいしいものを食べると、幸せを感じます。

しかし、おいしいものは幸せの素材にすぎません。

心配事があったり、会食の相手が嫌いだったりすると、せっかくのご馳走も砂を噛むような味になるものです。


人生の出来事も同じです。

幸福につながるか、不幸のもとになるかは、あらかじめ決まったものではなく、人や場合によって、どちらにでもなっていくことが多いのだと思います。


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小林正観さんは「幸も不幸も存在しない」という。


『すべての人が指をさして「これが幸せだ」と言えるものが、この世にはあるでしょうか。

たとえば、Aさんが「幸せだ」と言っても、ほかの人は「幸せではない」と言うかもしれません。

すべての人が絶対的な価値を持って「幸せだ」と思えるものは、地球上には存在しない・・・それが唯物論者の私の結論です。

たとえば、仲間たちと一緒に食事をしたり何かを見たり聞いたりしたときに、そこで「幸せ」を感じるというのは、その人にそう感じる「心」があるからでしょう。

「幸せ」は感じた人にのみ、そこに存在する。

感じた人にのみ「幸せ」が生まれる、という構造になっています。

同様に、「不幸」というものも、現象も、この世には存在しません。

たとえどんなにお金持ちで恵まれた環境にいる人でも、本人が「不幸だ」と思えば、 それは「不幸な」ことになります。

逆にものやお金がなくても、状況や環境がほかの人から見てひどいものであっても、本人が「幸せ」を感じていれば、それが幸せになるのです。

「幸」も「不幸」も存在しない。

それは他人が決めることでも外的なもので決まるのでもなく、その人自身の「心」が決めているのです。』(小林正観さんの心がすーっと晴れていく言葉/主婦の友社)より



すべては、ものの「見方次第」、「考え方次第」で決まる。

まわりから見て、どんなに悲惨な状況であっても、本人が「幸せ」だと思えば、それが「幸せ」だということ。


「幸福も不幸もない」という言葉を胸に刻みたい。







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