人の心に灯をともす 3657 起業家のように企業で働く

【起業家のように企業で働く】3657



小杉俊哉氏の心に響く言葉より…


『起業家のように企業で働く』を出版してから5年半が経過した。

この5年半を振り返ると、当時とは大きく環境が変化している。


見えやすい点としては、超人手不足で、求人倍率が高く圧倒的な売り手市場となり、新卒の学生たちは多くの内定を得て、その中でもっともよい会社を選んでいる。

特に意欲が高く優秀な人材の行動も大きく変化している。

5年半前は、就職人気ランキング上位を占める、金融・保険を中心とするいわゆる日本の一流企業に就職する、というのがまだ王道だった。

しかし、かつては思うように人材を集められたメガバンクも今や優秀な人材を惹きつけるのに苦労している。

彼らの志望は戦略コンサルティング会社や、外資系企業だったりするからだ。

たとえば、数十万人が読者という「外資就活ドットコム」のチヒロさんのコラム「外資イケメン図鑑」に出ているようなキャリアがあこがれだったりするようだ。

それは、まず戦略コンサルティング会社に入って、起業し、それを売却してまた次の企業をしたり(シリアル・アントレプレナー)、あるいは大学で教えたりする、というようなキャリアだ。


また、一旦退職しても、外で経験したことを活かして変革の担い手になりうる「出戻り」を積極的に進める動きが注目されるようになった。

パナソニックはその代表だ。

自らの専門性を磨きフリーランスとして独立して働くことを目指す人も多くなっている。


このような人材キャリア感の変化を受けて、企業側も社員を縛り付けるのではなく、より自律的に働いてもらうという方向に急速に変化している。

副業の解禁・緩和は、意識が高い人材を社内に引き留めておく手段にもなっている。

かつての副業は小遣い稼ぎが主流であったが、たとえば学生時代からNPO活動に関わってきた学生は、自分のオフの時間を使って世の中の役に立ちたいという思いを就職してからも持ち続けるからだ。

働き方改革により、残業が厳しく規制されるようになり、プライベートに使える時間が増えてことも、それを後押ししていると感じる。


またNPO法人クロスフィールズなどを使って資本関係のない発展途上国の企業に「留職」をしたり、国内でも企業間移籍のプラットフォームなどを使ったりしてベンチャーなどに人材を出向させる企業も増えてきた。

資本関係のある子会社への出向だとどうしても甘えが生じるが、たとえば、破綻した第三セクターやスタートアップで働くことは、1年でも武者修行となり大きな成長が期待できるからだ。


この5年半で、AI、ロボットの導入の必要性は常識となり、業種を問わずAIを専攻したエンジニアやデータサイエンティストが求められるようになった。

新卒でも彼らの年収は1千万円を超えるというケースも、珍しいことではなくなった。

さらに、日本人ではとてもニーズをまかなうほどの人数を確保できていないので、海外の新卒生を「スカウト」にいくような動きも今後加速していくだろう。


さて、このような変化の中で、企業で働くメリットを改めて考え、企業において「起業家のように」働くことは、ごく一握りの人たちではなく、誰にでも必要なことになってきたのではないだろうか。

企業で働く人にとって「起業家」とは、縁の遠い存在かもしれない。

何か特別な能力を持ち、成功する保証もない事業にリスクをとって望むエネルギーに恵まれ、なるべくしてなる別世界の人、というイメージだと思う。


企業に勤める人たちとスタートアップ経営者。

彼らと間近で接してきてつくづく思うこと。

それは「起業家」マインドが必要なのは、スタートアップ経営者だけではない。

企業で働くにしても「起業家」のように考え、働くことが必要だ、ということだ。


企業において、どんどん出世していく人、あるいは、やらされ感なく楽しそうに仕事をしている人は、例外なく「起業家」マインドを持って自律的に働いている。

「起業家」マインド、すなわちアントレプレナーシップが、企業人にも必要だということはさんざん言われてきた。

しかし、「で、具体的にはどうすればいいの?」ということに対する答えは掲示されてこなかったように感じる。


『起業家のように企業で働く令和版』クロスメディア・パブリッシング





小杉俊哉氏は本書の中でこう語る。


『企業研修で多くの人たちに接してきて感じるのは、ほとんどの人が組織に依存していて、自ら主体的に動けるということを忘れてしまっている、ということだ。

企業で働く自律した人は、50人に1人、100人に2人くらいしかいない、という実感がある。

企業で働くにしても、自ら仕事を作り出し、自らの責任において行う、すなわち「自律」が必要になった。

結局は、いざとなったら誰も助けてくれないし、責任をとってくれない。

日々ニュースとして取り上げられている企業のM&Aや部門売却・買収の対象となった人たちのことを考えればわかるはずだ。

かつては、上司の指示を受け、言われたことをきちんとそつなくこなす部下が優秀な部下であると評価された。

今でも、もちろん言われたことはちゃんとやらなければ評価されることはないだろう。

だが、それだけでは十分ではないんだ。

この20年あまりで、企業とそこで働く人材との関係は、上下関係から、横並びの対等な関係に変わっている。

その意味は、固定的な保証された関係から、流動的な双方向性の努力が必要な関係、すなわち、親子関係から大人同士の関係へと変化したということだ。

企業の経営者や管理者は、業績を上げて人材が魅力を感じる場や機会を与え続けないと、人材を惹きつけ、働き続けてもらうことは出来ない。

人材も、自身の能力やエンプロイアビリティ(雇用されうる能力)を高めるために自己投資をし続けないと、環境が変わったときに要らない人材になってしまうリスクが高い、ということだ。』


フィンランドでは、小学校から起業家精神の教育をしている。

起業家精神(アントレプレナーシップ)とは、

『創造性、自己効力感(自己に対する信頼感や有能感のこと)、柔軟性、活動、勇気、イニシアティブとリスク管理、方向性、協調性とネットワーク能力、ものごとを達成するモチベーション、常に学び続ける態度、空想性、豊かな発想、我慢強さなどを意味します。

フィンランド教育省は、起業家精神は「アイデアを行動に翻訳する個人の能力」と定義しています。

これは創造性を発揮してユニークなアイデアを生み出し、さらに単なるアイデアで終わらせずに行動に移す、という二面の能力を要求しているのです』(みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略)より


起業家のように企業で働く人には限りない魅力がある。






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