人の心に灯をともす 3846 君はゼロから何を生み出せるか

【君はゼロから何を生み出せるか】3846



ピーター・ティール氏の心に響く言葉より…


シリコンバレーに居残った起業家は、ドットコム・バブルの崩壊から4つの大きな教訓を学んだ。

それがいまだにビジネスを考える時の大前提となっている。


1. 少しずつ段階的に前進すること

壮大なビジョンがバブルを膨張させた。

だから、自分に酔ってはいけない。

大口を叩く人間は怪しいし、世界を変えたいなら謙虚でなければならない。

小さく段階的な歩みだけが、安全な道だ。


2. 無駄なく柔軟であること

すべての企業は「リーン」でなければならず、それはすなわち「計画しない」ことである。

ビジネスの先行きは誰にもわからない。

計画を立てるのは傲慢であり、柔軟性に欠ける。

むしろ、試行錯誤を繰り返し、先の見えない実験として企業を扱うべきだ。


3. ライバルのものを改良すること

機が熟さないうちに新しい市場を創ろうとしてはならない。

本当に商売になるかどうかを知るには、既存顧客のいる市場から始めるしかない。

つまり成功しているライバルの人気商品を改良することから始めるべきだ。


4. 販売ではなくプロダクトに集中すること

販売のために広告や営業が必要だとしたら、プロダクトに問題がある。

テクノロジーは製品開発にこそ活かされるべきで、販売は二の次でいい。

バブル時代の広告は明らかな浪費だった。

バイラル(情報が口コミで徐々に拡散する)な成長だけが持続可能なのだ。


これらの教訓は、スタートアップ界の戒律となった。

それを無視すると、2000年のハイテク・バブルの二の舞になると考えられている。



アメリカの航空会社は数百万の乗客を運び、金額にすると毎年数千億ドルもの価値を創造している。

でも2012年には、平均の片道運賃178ドルのうち、航空会社の取り分はわずか37セントだった。

グーグルの創造する価値はそれより少ないけれど、自社の取り分ははるかに多い。

2012年、Googleは500億ドルを売り上げ(航空会社は1600億ドルを売り上げている)、その21パーセントを利益として計上している。

それは、同じ年に航空界が上げた利益率の100倍以上にもなる。

グーグルの収益性は極めて高く、現在の時価総額は、アメリカの航空会社合計の3倍にものぼる。


航空会社にはお互いがライバルだけれど、グーグルにはそうした相手がいない。

経済学者はその違いを説明するのに単純化された2つの図式を使う。

完全競争と独占だ。


完全競争の反対が独占だ。

完全競争下の企業が市場価格を強いられる一方で、独占企業は市場価格を支配しているため自由に価格を設定できる。

競争がないので、独占企業は生産量と価格を調整して利益の最大化を図る。


アメリカ人は競争を崇拝し、競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばずにすむのだと思っている。

でも実際はには、資本主義と競争は対極にある。

資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。

だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。

永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティビジネス(一般化した差別化困難なビジネス)を行ってはならない。


『ZERO to ONE(ゼロ・トウ・ワン)』NHK出版




本書の中にこんな事例があった。

『「この市場は自分たちしかいない」と、起業家はたいてい競争範囲を甘く見積もりがちで、スタートアップにとってはそれが命取りになる。

彼らは自分の市場を極端に狭く限定し、まるで自分たちが市場を支配しているかのように考えたがる。

たとえば、パロアルト(シリコンバレーの北端部)でイギリス料理のレストランを開店するとしよう。

「誰もやってないから」というもっともな理由からだ。

これなら市場を「独占」できる。

ただし、それは市場がイギリス料理に限定されるならという話だ。

実際の市場はパロアルトのレストランすべてだとしたら?

パロアルトだけではなく近郊のレストランすべて入るとしたらどうだろう?

新しいレストランのほとんどが、1,2年以内に潰れると聞けば、オーナーはまず、自分のレストランだけは違う理由を見つけようとする。

自分だけは特別だと周囲に納得させることに時間を使い、それが事実かどうか真剣に考えようとしない。

だけど、一旦立ち止まって、世界中のどんな料理よりもイギリス料理が好きな人が、本当にパロアルトにいるのかを考えてみるべきだ。

いないという可能性だって充分にあるのだからだ。

クリエイティブ業界にも同じことが言える。

競争的なビジネスには、利益が出ないことよりも大きな問題がある。

仮に、君がマウンテンビューでレストランを経営しているとしよう。

同じようなレストランが数多くある中で、必死に闘わなければ生き残れない。

利の薄い手ごろな値段の店では、おそらく従業員に最低賃金を払うのが精一杯だろう。

少しの無駄も許されない。

だから、小さなレストランではおばあさんがレジを務め、子どもたちが厨房で皿を洗っている。

高級レストランなら楽かといえば、そうでもない。

ミシュランに代表される評価やレビューによって競争はさらに激化し、シェフたちは狂気に駆り立てられる。

競争的な生態系は人々を追い詰め、死に追いやることもある。

グーグルのような独占企業は違う。

ライバルを気にする必要がないため、社員やプロダクトや広い社会への影響を考える余裕がある。

カネのことしか考えられない企業と、カネ以外のことも考えられる企業とでは、ものすごい違いがある。

非独占企業にその余裕はない。

長期的な未来に備える余裕はない。

生き残りを賭けた厳しい闘いからの脱却を可能にするものは、ただひとつ…独占的利益だ。』


著者のピーター・ティール氏は、ペイパル(PayPal)の創業者。

Facebookの最初の外部投資家としても有名だ。

ピーター・ティールは、昨今もてはやされている「リーン・スタートアップ」を厳しく批判している。

「リーン・スタートアップ」とは、「事前にあまり計画せずに、まずスタートすることが先決で、事業をしながら、少しずつ改善する手法」だが、それは成功しにくと考えている。

むしろ、あるべき姿は、「競合とは大きく違うどころか、競合がいないので圧倒的に独占できるような全く違うコンセプトを事前に計画し、それに全てを賭けろ」というスタンスだ。


つまり、レッドオーシャンではなく、ブルーオーシャンで闘え、ということだ。

そのためには、ゼロからイチを生み出させるようなプロダクトや、コンテンツを持つ必要がある。

「ゼロ・トウ・ワン 」の世界に挑戦してみたい。





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