人の心に灯をともす 3906 真に楽しむ者

【真に楽しむ者】3906



致知出版社社長、藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…


パナソニックの社名が松下電器だった時期、山下俊彦という社長がいた。

昭和52年、先輩24人を飛び越えて社長になり、話題となった人である。

素直、明晰(めいせき)なお人柄だった。


この山下さんが色紙を頼まれると、好んで書かれたのが「知好楽(ちこうらく)」である。

何の説明もなしに渡されると、依頼した方はその意味を取りかねたという。

この出典は『論語』である。


子曰(いわ)く、これを知る者は、これを好む者に如かず。

これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。

(これを知っているだけの者は、これを愛好する者におよばない。これを愛好する者は、これを真に楽しむ者にはおよばない)


極めてシンプルな人生の心理である。

仕事でも人生でも、それを楽しむ境地に至って初めて真の妙味が出てくる、ということだろう。


ここでいう「楽」は、趣味や娯楽に興じる楽しさとは趣(おもむき)を異(こと)にする。

その違いを明確にするために、先哲の多くは「真楽(しんらく)」という言い方をする。

何事であれ対象と一体になった時に生命の深奥(しんおう)から湧き上がってくる楽しみが「真楽」である。


物事に無我夢中、真剣に打ち込んでいる、まさにその時に味わう楽しさが真楽なのである。

人生の醍醐味(だいごみ)とは、この真楽を味わうことに他ならない。

松下幸之助氏の言葉がある。


「困難に直面すると却(かえ)って心が躍(おど)り、敢然(かんぜん)と戦いを挑んでこれを打破していく。そんな人間でありたい」


困難に直面して一念が後退することなく、むしろ心が躍るというのは、その困難と一体になることである。

一体となって困難を乗り越える。

そこに言い尽くせない人生の深い楽しみがある。

そういう楽しみを味わえる人になりたいものである。


『長の十訓』致知出版社




プロのスポーツ選手や一流のアスリートが、試合に行く前に「楽しんできます」ということがある。

それを「不謹慎」だとか、「遊びではなんだぞ」と怒ったりする人がいる。


確かに、プロや一流のアスリートは観客を喜ばせることが要求される。

いただいているお金以上のパフォーマンスを上げられなかったら、すぐに首になってしまう厳しい世界だ。

もし、自分だけが楽しんでいるのなら、まわりは白けてしまい、あっというまにファンは離れていくだろう。


だが、それが「真楽」の心境だとしたら、競技に三昧(ざんまい)になることにより、困難に立ち向かう姿や、失敗さえも、見るものに感動を与える。

三昧とは、精神を集中して、一心不乱にそのことをすることだが、無我夢中に打ち込むことでもある。


人生の醍醐味は「真楽」を味わうこと。

真に楽しむ者でありたい。






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