人の心に灯をともす 4094 AIの進化と自律世界の到来

【AIの進化と自律世界の到来】4094



太田裕朗(ひろあき)氏の心に響く言葉より…


イギリスの著名な経済ジャーナリストで、ベストセラー「ポストキャピタリズム―資本主義以降の世界」の著者として知られるポール・メイソンは、今後の情報技術のさらなる発展によって、物やサービスの生産費用が劇的に低下し、さらには無料で潤沢に供給される社会になると語っています。

確かに、エネルギーが無償になり、食料をはじめとする物やサービスの生産のノウハウが無償で手に入り、ロボットの利用によって生産も流通も限界まで低価格化されれば、雇用されて義務として労働し、賃金を得てサービスを買う、働けば働くほどより多くを獲得し消費できるようになるという資本主義社会のモデルは崩れます。

兆候はいくらでも見いだすことができます。

例えば音楽の世界では、もうずいぶん前から、ひとつの音源さえデータとしてつくってしまえば、ハードとしての金属製のディスクを生産し、流通・販売する必要はなくなっています。

購入はインターネット上で一瞬で終わります。


書籍も購入の必要はありません。

欲しい情報はインターネットで簡単に入手できます。

すでにアメリカでは、ものとしての書物を購入して読む人より、手元の電子デバイスにダウンロードして読む人の数が多くなっているといわれます。


あるいは今、辞書や百科事典を購入し、自宅に備える人がいるでしょうか?

インターネットにつながった検索サイトに知りたい言葉を入力し、ボタンを一つ押せば、どんなことでもたちどころに参考資料の一覧が示されます。

また、誰でも、訪ねたこともない遠い国や都市の図書館や博物館のアーカイブの中に入り、そこから自由に、ほとんどの場合無料で、専門的な資料を手に入れることができます。


今世界には18億近いウェブサイトがあるといわれ、今も刻々と増え続け、しかも基本的に閲覧は無料です。

地球上のあらゆる場所の衛生画像も、瞬時に入手できます。

これも無料。

かつて過ごしたことのある懐かしい街や、いつか訪ねたいと思っている場所に、今すぐ行くことができ、歩き回ることができる。

こんなことができると、20年前に誰が想像したでしょうか。


食料生産もすでにロボット工場で安価に安定的に取り組まれ始めており、さらに広範囲に行われていくでしょう。

葉物類やトマトなどの野菜だけではありません。

大豆やキノコなどの植物性タンパク質を主な原料とした植物由来の人工肉が生産され、すでにアメリカ国内を中心に流通しています。

大手のファーストフードチェーンが本格的な販売に乗り出しており、消費者の評価も高く、市場は大きく拡大していくとみられています。

特に、ミレニアル世代、その後に続くジェネレーションZと呼ばれる世代は、環境保全やアニマルウェルフェア(生き物としての家畜にストレスのない生育環境を与えるべきだとする考え方)に対する共感を持っており、世代を問わない健康志向にも後押しされ、世界で人工肉の市場は大きく拡大していく勢いです。

そもそも2050年には97億人になると推計される地球上の人口を養うために、現在の家畜由来の食肉供給は到底間に合わないでしょう。

人工肉が食肉市場のメインになれば、この工場生産は完全に自動化され、今の家畜の飼育による食肉生産とは比較にならない低コスト・高効率で安定します。

価格は一気に下がる。

これもまた無料に近いものになるでしょう。


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太田氏はさらに、「今後の予測」をこう語ります。

『自律的に生産活動が行われるようになれば、無駄がなくなると同時に、無限に生産が可能になり、生命維持に必要な物質が飽和します。

数十年では難しいかもしれませんが、100億人を賄う能力は将来可能になるでしょう。

それにより、環境負荷、紛争、貧困もなくなります。

国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の多くが、解決可能になっていくと思います。

広義の自律こそ、その解決の鍵を握るテクノロジーです。

そしてものが行き渡る社会は、人間が労働から脱却する社会といえるかもしれません。

これまで人間だけでなく地上のあらゆる生命体は「働かざる者、食うべからず」という世界に生存していました。

昆虫も魚も動物も、生命体はみなそうです。

しかし、働かなくても食べられる時代になってしまうかもしれないのです。

それがどういう世界なのか、今の想像力では思い描くことができませが。』


また、自動運転がなぜ進まないのかについては「トロッコ問題」があるという。

『トロッコ問題とは、イギリスの哲学者フィリッパ・フットが1960年代に提唱した倫理的な問いかけです。

制御不能になって暴走するトロッコがあります。

このまま走り続けると、前方で作業している5人の人を轢いてしまう。

その手前にポイントがあり、切り替えれば進路を変えることができるが、そちらにも1人の作業員がいます。

あなたがポイントの切り替えをする立場であったらどうするか?というものです。

自動運転についても、同じ問が成立します。

例えば、突如子どもが目の前に飛び出してきた。

避けるためにハンドルを切りたいが、そちらには歩行者がいる。

急停止すれば後続の車が激しく追突してくる。

どうすればいいか…切迫した事態のもとで、直ちに判断して最適と思われる行動をとることができなければ、公道で一般の車や歩行者のいる中を走る完全自動運転は成立しません。』


つまり、人と自動運転が混在していると、このトロッコ問題のような状況が必ず起こる。

そのため、トヨタはそれらの危険を排除した実験都市「ウーブン・シティ」をつくるのだという。

AIの進化は、行き着くところ、最後は人間心理や、哲学、感性や価値観の問題になってくる。


結局、どのように進化した未来が来ようと、我々人間に必要とされるのは、人間学だ。

人としての自分の心を高め、どう磨いていくのか。


AIが加速度的に進化し、自律世界へ向かう今、AIにできないこと、それは…

人間力を高め、心を磨いていくこと。






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