人の心に灯をともす 4096 知識の「幅」が最強の武器になる

【知識の「幅」が最強の武器になる】4096



デイビッド・エプスタイン氏の心に響く言葉より…


「1万時間の法則」をテーマとしたベストセラ―『非才!』で、イギリス人ジャーナリストのマシュー・サイドは、イギリス政府がタイガー・ウッズのような専門化(2才の時からゴルフに特化した英才教育をした)を徹底できていないと批判する。

サイドは政府の上層部の役人が、ローテーションでさまざまな部署をまわらされていることについて、「タイガー・ウッズをゴルフから野球へ、そしてサッカーやホッケーへと異動させているようなもので、非常にばかげている」と指摘した。

しかし、イギリスは2012年のロンドン・オリンピックでは大成功した。

何十年もパッとしない成績が続いたあとの成果だった。


それを支えたのは、新しいスポーツを試してみるよう大人に声をかけ、遅咲きの選手を生み出すパイプラインをつくったことだ。

つまり、スポーツ選手が、フェデラー(テニス選手)のようにさまざまなスポーツを試してみてから専門分野を求めることは、たとえエリート選手を目指していたとしても、それほどばかげていないということだ。


「究極的な専門特化」の必要性が、スポーツに限らず他の分野でもよく言われている。

それは何かを売り込んで儲けようという意図がある場合もあれば、善意から言っている場合もある。

現実には、タイガー・ウッズが歩んだ道のりではなく、ロジャー・フェデラーがスターになった道のりのほうが一般的なのだが、そのような選手のストーリーは、語られることがあったとしてもひそやかに語られる。


2018年のスーパーボウルに出場していたクォータバックのトム・ブラディは、アメリカン・フットボールの選手になる前に、プロ野球のドラフトで指名された。

ブラディと対戦したニック・フォールズは、フットボール、バスケットボール、野球、空手を経験し、大学生の時にバスケットボールとフットボールの間で選択して、フットボールの選手になった。

同じ月、チェコのエステル・レデツカが冬季オリンピックで、二つの異なるスポーツ(スキーとスノーボード)で金メダルを獲得した。

女性としては初めてのことだ。

レデツカは子どもの頃にいくつものスポーツを経験した(今でもビーチバレーとウインドサーフィンをしている)。


有名なスポーツ科学者のロジャー・タッカーは、シンプルにこう述べる。

「初期にいろいろ試してみることと、多様性が重要だということは明らかだ」


また、認知心理学者たちから教えられたが、それは、永続的な知識を得るためには、ゆっくりと学習するのが最善だということだ。

たとえ、その時の試験結果や成績が悪くなっても、そうするのがよいという。

逆にいうと、最も効果的な学習は非効率に見え、後れを取っているように見えるということだ。


中年の時に何か新しいことを始めるのも、そのように見えるかもしれない。

テクノロジー企業の創業者では、50歳の人は30歳に比べて、企業を立ち上げ大成功する確率が2倍近い。


2008年の世界金融危機のあとで明らかになったことの一つに、大手銀行組織の細分化があった。

また、ある国際的に有名な科学者によると、専門特化の傾向が進むにつれて、誰もが自分の溝を深く掘り続けることに専念しており、もしかしたら、隣の溝に自分が抱えている問題の答えがあるかもしれないのに、立ち上がって隣を見ようとはしない、ということだ。

そこでその科学者は、未来の科学者の教育を「非専門化」しようとしている。

やがては、すべての分野の教育に、それが広まることを願っている。


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デイビッド・エプスタイン氏は、本書の中でこう語る。

『タイガー・ウッズ型の道筋には、寄り道や、幅や、実験はほとんど存在しない。

タイガーの育て方が人気なのは、そのやり方がシンプルで、不確実性が低く、効率が良いからだ。

それに、誰もがタイガーのように他人に先んじたい。

これに対して、実験を続ける道筋はシンプルなものではない。

しかし、それは多くの人が歩む道で、得るものも多い。

ディーン・キース・サイモントンのクリエイティビティーの研究によると、優れたクリエーターは、生み出す作品が多いほど失敗作が増えていき、同時に画期的な作品を生み出す可能性も高まる。

トーマスエジソンは1000件以上の特許を持っているが、大半は取るに足らないもので、却下されたアイデアはもっとあった。

シェイクスピアには、『リア王』や『マクベス』などの作品もある、あまり評価されていない作品もある。

独創的なクリエーターは何度も三振するが、大きな満塁ホームランも打つ。

私が探究しようと決めた問いは、「超専門特化がますます求められ、また自分が本当にやりたいことがわからないうちに何になるかを決めなければいけない中で、幅(レンジ)や多様な経験や領域横断的な探究を、どうやって実現するのか」ということだ。

成長のスピードは人それぞれであり、他の人を見て後れを取ったと思わないことだ。

その代わり、実験を計画しよう。

多様な経験を持つ個人は専門家のグループよりも創造に貢献するという。

もし、ある分野から全く別の分野に移っても、その経験がムダになることはない。

最後にもう一つ、専門特化は、少しも悪いことではない。

程度の差はあっても、みんなどこかの時点で専門を決める。

ただ、あちこちに寄り道しながら考え、実験するほうが、特に不確実性の高い現代では力の源になる。

ヘッドスタート(未就学児童のための教育)は過剰評価されている。

高裁判事のオリバー・ウェンデル・ホルムズは、アイデアを自由に交し合うことについて、こう書いている。

「それは実験である。人生すべてが実験であるように」』



プロになるために必要なのが、「1万時間の法則」だと言われる。

それに加えて、野球のイチローのように、3歳から練習を始め、小学校3年からは365日の中で360日激しい練習をしていたというタイプでなければプロにはなれない、と思われてきた。

子どもの頃から専門特化だ。


しかしながら、スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、若い頃は色々なスポーツや仕事を経験をして、失敗もしたり、挫折したりした人の方が、実際、成功した人は多い。

なぜなら、そこには「偶然」とか「予期せぬ出会い」という自分の努力では引き寄せられない「運」のような要素が絡むからだ。


こんな言葉がある。(成功は“ランダム”にやってくる!)より

『成功者は、偶然の出会い、突然のひらめき、予期せぬ結果などを経験している。彼らは運命を変えた瞬間のことを振り返り、「あの瞬間がすべての始まりだった」と言う』


知識の幅を広げ、自分の人生を切り開きたい。





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