人の心に灯をともす 4125 アイデアを話したらパクられてしまう

【アイデアを話したらパクられてしまう】4125



瀧本哲史氏の心に響く言葉より…


《伝説の東大講義より》


質問:

「僕は今、友人と2人で起業しようとしていて、準備を進めているんですけど、人手を増やしていくとき、起業のアイデアをプレゼンしていくわけじゃないですか。

でも、あんまり深いところまでしゃべっちゃうと、パクられる可能性があるのかなと。

パクられるのを防ぐために説明をセーブすると、今度はインパクトのあるプレゼンができなくて、なかなか人手を集められないんです。

うまくアイデアをパクられずに、インパクトのあるプレゼンを行うには、どうしたらいいのかなと」


瀧本哲史:

なるほど、なるほど。

じゃあ、僕の起業論の授業で毎年起きている現象をお話しましょう。

最初は600人ぐらいいる大教室での授業なんですが、僕に指されて発言した人にしか単位をあげないというシステムです。

最初の関門は、「みなさん、なんでもいいからビジネスのアイデアを3つ出してください。

期限は1週間後です」といった課題なんですね。


でも、そうすると必ず、「僕のこのすごいアイデアは高校時代からずっと温めていたもので、先生、パクらないでください!あと、僕のこのスゴすぎるアイデアは真似されてしまうので、絶対に授業では使わないでください!お願いします!」ってレポートに書いてあったりするんです。

でも残念ながら、そういうアイデアってほとんどの場合、とっくの昔に他の人も考えてるんですね。

「また来たか」みたいな。

「それ、去年もあったし、一昨年もあったし、今年も4つあるよ」みたいな。


どんなアイデアもだいたい地球のどこかで同じようなことを考えている人が、1000人はいます。

なので、むしろアイデアは保護されないし、守られることはないし、完全にステルスにすることはむずかしいと思ってください。

アイデアなんてものに価値はなくてですね、それをやるメンバーの実行力とかのほうが、はるかに重要なんです。


アイデアがどうかなんてことより、「あなただからその事業をやる意味がある」ということが、やはりきわめて重要です。

自分はこういう人間だから、この事業を通じて世界をこう変えたいんだ、というプレゼンテーションができれば、応援したいと思う人はどんどん出てくると思いますよ。

人手なんて、どうにでもなります。


そうやって人を誘うときって、すごくでかい絵、ビッグピクチャーを描いたほうがよくて、マイクロソフトのビル・ゲイツが、のちに2代目のCEOになるスティーブ・バルマーを口説いたとき、20代のゲイツはこう言って誘ったんですね。

「イメージしてみてくれ。今、コンピュータはオフィスに1つしかないけど、そのうち世界の全員が持つようになる。そのとき我々のソフトがすべてのコンピュータに入ったとしたら、どれぐらいのビジネスになると思っているんだ?わけのわからないもの売ってる場合じゃないぞ!」って。

そんな話を聞かされたら、ふつうの人は「こいつはちょっと頭がおかしい」って思うじゃないですか。

でもバルマーは、「もしかしたら、ほんとうにできるかも」と思ってマイクロソフトに入って、ゲイツのあとの社長になったんです。


「アイデアを話したらパクられてしまう」って心配してしまうのは、たぶん、あなたがその事業をやる理由がまだ圧倒的に弱いんです。

アイデアを聞いた人に「パクってもこの人には絶対に勝てないな」と思わせられれば、しゃべったっていいじゃないですか。

「俺はこれに人生をかけてるんだ、おまえがチョロッとやっても、俺は叩き潰す」みたいな気迫があれば、人もついてくるし、競合も怯(ひる)みますよね。


だいたいね、アイデアがいくら良かったとしても、ビジネスが立ち上がるまでには3年ぐらいかかるのがふつうです。


そこに行きつくまでに低迷して力尽きるベンチャーがほとんどですよ。


走り続けているから、良いタイミングが来たとき、波に乗れるんです。

いい波に乗るためには、波が来るのを見てから走り出しても遅いんですね。

波が来てなくてもずっと海辺に立っていなきゃいけなくて、その間ずっと、他の人から見たら「頭がおかしい人」である必要があるということです。


なので、誰かにしゃべったらすぐにパクられて、一夜にして抜かれるみたいなコモディティのアイデアなのだとしたら、やっぱりやめたほうが賢明かもしれません。

しゃべったところでパクるどころか誰も関心を示さず、むしろ「あそこのマーケットは絶対ダメだ!」とみんなが避けるようなビジネスのほうが、可能性があるんです。

そういうマーケットかどうかってことです。


『2020年6月30日にまたここで会おう』星海社






2019年に、病のため47歳の若さで、瀧本哲史氏は亡くなってしまった。

したがって、残念ながら、本の表題にあるように、2020年6月30日に、またここ(この講演会場)で会うことはできなかった。


瀧本氏は「起業」についてこう語る。


『「瀧本先生、僕に進むべき道を教えてください」じゃないんです。

ぜんぜん違うんです。

君が自分の仮説を出して、それを試してみるしかないんですよ。

とにかく自分が正しいと思うことを試してみて、自分のまわりに正しそうなことをやっている人がいたら、それに合意したり、支援する。

残念ながら僕には、正解も未来も圧倒的にわからないんです。

僕の仮説も行動も、支援先も、ぜんぶ失敗に終わる可能性だって当然あります。

いやむしろ、ほとんどが失敗するでしょう。

失敗は織り込み済みなんです。

それでも悲観することなく行動できるかどうかを、みなさんに問いかけているんですよ。

ベンチャー企業というのは、統計的に100社あってうまくいくのはたった3社くらいだと言われています。

要は「3勝97敗のゲーム」なんですね。

でもぜんぜん悲しむことはなくてですね、失敗した人はまた再チャレンジすればいいだけです。

そうやって失敗と成功をグルグル回していって、社会を良くしていくのが、資本主義の素晴らしいところなんですね。

人生もそうですよ。

みなさんがいろんな分野でチャレンジし、分母の数を増やしていくことが重要で、そうしてみんながいろんな方法を試しているうちに、2,3個ぐらい成功例が出てくるんです。』


ケチくさい人は、自分のアイデアを出し惜しみする。

そして、ちょっとのアイデアでも、それをマネタイズ(お金に)しようとする。

それと同じアイデアを考えた人は、世界には何千人といる。


しかし、それを実際にやってみた人は少ない。

そしてその上、やってみて、うまくいく人はもっと少ない、というより、誰もいないかもしれない。


アイデアを行動に移すには狂ったような情熱が必要だ。

アイデアを考えただけでは、まだ何も始まっていない、ということだ。


波がこなくても、アイデアを出し続け、失敗を繰り返し…

前を向いて、走り続ける人でありたい。





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