人の心に灯をともす 4126 人口減少に負けない思考法

【人口減少に負けない思考法】4126



河合雅司(まさし)氏の心に響く言葉より…


2020年代とは、「子供を産むことができる女性の激減」がより明確になってくる時代との側面を持つ。

国勢調査が行われた2015年を基準にすると、2040年は4分の3、2060年代半ばにはおよそ半分の水準に減る。

残念ながら、今後、多少のベビーブームが起こったところで日本の少子化は止まらない。

しかも、高齢化がさらに進む。

それはすなわち、現時点で子供であろうが高齢者であろうが年齢に関係なく、「残りの人生」はずっと人口減少社会を生きざるを得ないということだ。


2015年の国勢調査で1億2700万人余を数えた日本の総人口は、2063年に9000万人を下回り、100年も経たないうちに5000万人ほどに減る。

ここまで大規模かつ速いスピードで減少したのでは、あらゆる場面で社会は変わり行くだろう。


たとえば、拡大路線から発想の切り替えが進まない現状においては、大型ショッピングセンターの勢いは衰えない。

イオンの売り場面積だけで全国の百貨店の総計を逆転する状況にあるという。

一方で、変化の予兆も見られる。

大型ショッピングセンター同士の顧客獲得競争も激しく、敗れて撤退を始めたり、商圏の人口減少が著しい地区では空きテナントが埋まらなかったりという事例も見られるようになってきた。


さらに、インターネット通信販売の普及・拡大で実店舗に足を運ぶ若者は減少傾向にある。

コロナ禍で日常生活にソーシャル・ディスタンスが定着し、中高年にもネット通販を利用する人が増えた。

商圏人口の減少以上に来店者数が減ったならば、大型ショッピングセンターの淘汰の流れはさらに進むことだろう。


大型ショッピングセンターへの来店者数の減少については、高齢化の影響も踏まえておかなければならない。

年齢を重ねると運転が難しくなり、郊外まで足を延ばすことができなくなる人が多くなる。

しかも年をとればとるほど、一般的に消費欲は減退する。


また、この大型ショッピングセンターの進出は往々にして既存の地元商店街に壊滅的な打撃を与える。

地元商店街が勢いを完全に失ってしまった後に、大型ショッピングセンターまでもが撤退する事態に至ったならば、それこそ目も当てられない。

大型ショッピングセンターの撤退というのは、ある日、突如として何十という店舗が一斉に“消滅”するようなものだ。

それこそ「商店の空白地帯」となれば、住民の流出は止められなくなるだろう。


人口が減り、空き家問題がクローズアップされてきている。

空き家といえば崩れかかった一戸建てのイメージが強いが、実はマンションの空き部屋も増えているのだ。

なぜ、マンションに空き部屋が拡大したのだろうか。

最大の理由は賃貸マンションへの入居者がいないことだが、住み替えが進まないことも数字を押し上げている。


若い世代が多かった時代には住宅需要も大きく、地価は上がり続け、交通の便の良いところに立地するマンションは買値よりも高く売れるケースが少なくなかった。

地価は上がり続けるという“土地神話”も崩壊した。

物件によっては買値に比べて大きく値が下がり、売却したくともできなくなったのである。

こうなると、購入したマンションは終(つい)の棲家(すみか)となる。

マンションの場合、購入時には年齢も、年収も、家族構成も似通った人が多くなりがちだ。

それは20~30年後に住民が一斉に高齢者になるということでもある。

いまや住民の大半が高齢者という物件も珍しくなくなってきた。


一方で住民の高齢化は新たな課題をもたらす。

少子高齢化で跡を継ぐ子供などがいなければ、所有者が亡くなると住む人がいなくなる。

別のマンションを所有していれば、親が遺したマンションは必要とはならない。

固定資産税の支払いを敬遠して相続せず、持ち主が不明になる場合もある。

相続して売却や貸し出しを考えても、マンション自体が老朽化していたのでは思うようにはいかない。


少子高齢化に伴い住宅を求める層が減っていく状況下において、分譲マンションのように財産を「区分所有」すること自体が極めて危ういことだと言わざるを得ない。

「区分所有」は若い世代へと各世代がうまく循環して初めて機能するのだ。


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河合雅司氏は、人口減少や高齢化によって、地方の税収が落ち込み行政サービスがピンチになる地方自治体が増えているという。

地方自治体も企業と同じく「拡大成長」路線で来た。

それは、住民の増加が前提だったからできた政策だ。

首長たちも競うようにして工場誘致による雇用創出に努めたり、豪華な施設をつくったり、大型ショッピングセンターを誘致して、街の格を高めようとした。

しかし、人口が激減しているいま、こうした旧来の成功モデルは成り立たない。

とはいえ、企業と同じく、地方自治体も「過去の成功体験」を改めるのは難しいようで、強引とも思える政策を打ってでも近隣の自治体から住民を奪い取り、“人口増加”を演出しようとしているところも多い。

それはサービス合戦の様相すら呈していることから子育て世帯の関心も大きく、どの自治体がどんなサービスを展開しているのかを一覧にして比較できるウェブサイトまで登場している。

だが、こうした人口かき集めによる自治体の発展モデルは短期的には成功に見えても、長続きはしない。

日本全体としては人口が激減していくからだ。

現時点では辛(かろ)うじて人口増加が続いている市町村も、遠からずすべての自治体で人口が減ることになる。

自治体間の人口の綱引きは、次回の選挙戦に向けて成果をアピールした政治家たちにとっては重要なことかもしれないが、日本社会全体で捉えたならば“勝者”なき、不毛の戦いだ。

一つの自治体だけが拡大発展していくということはあり得ない。

(以上、本書より抜粋引用)



河合氏は、地方自治体の「フルセット主義」を排除しなければいけないという。

それはたとえば、図書館や市民ホール、プールといった公共施設を、それぞれの自治体ごとに取りそろえること。

近隣自治体に見劣りしないようにという競争意識が働くからだ。


これから大事なことは、他の自治体といかに「違うこと」をやるかだ。

それは「なくてはならない存在になること」。

オリジナリティを発揮すること、強みを探しそれを強化することだ。

それは、地政学的な優位性であったり、歴史であったり、自然であったり、伝統工芸や祭り、企業、人物かもしれない、という。


これは、地方自治体だけでなく、会社、もっというなら、各個人においても言えることだ。

いかにオリジナリティを発揮し、あなたがいなくては困るという「なくてはならない存在」になるか。

人でいうなら、誰と飲みたいか、誰と一晩語りあかしたいか、でもある。


「なくてはならない存在になること」

魅力ある、街や会社、そして人を目指したい。






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