人の心に灯をともす 4566 日本は今後GAFAを追いかけてはいけない

【日本は今後GAFAを追いかけてはいけない】4566



経営共創基盤(IGPI)グループ会長、冨山和彦氏の心に響く言葉より…


従来の日本企業では、誰でもラインの中で頑張っていれば、ある程度の出世が可能だった。

入社してしばらくすると係長、課長といった中間管理職に出世していき、さらに一部の人は部長、本部長に、運が良ければ経営層にまで自動的に上がっていくことができた。

しかし残念ながら、そのような幸せな時代は二度と戻ってこない。

なぜなら今、「中間管理職」と言う仕事が急速に消滅していっているからだ。

従来の「中間管理職」の仕事は、いわば「監視」「モニタリング」だった。

上から与えられた役割が滞りなく進んでいるかを確認する役割。

例えばバス会社において、運転手一人ひとりが安全に、正確に運転しているかをチェックする係が中間管理職だったわけだ。


もう一つは組織内、組織間の「調整」「根回し」である。

組織の和とボトムアップ型のコンセンサス作りを最優先する意思決定スタイルにおいては、会社の内外で調整すべきことがたくさん出てくる。

競争市場に対峙する能力よりも「社内の歩き方」の達人であることが中間管理職にとって重要であり、かつ出世の条件でもあった。


しかし、こうした業務はITによって急速に置き換えられつつある。

ITによってより正確なモニタリングが可能になるし、情報も瞬時に行き渡る。

単なる「ウォッチドッグ」の役割はゼロにはならずとも、大幅に減少する。


不連続な変化の時代、意思決定も重要な戦略的な決断、戦略的なピボット(方向転換)ほどトップダウン型になっていく中で、コロナ禍でリモートワークが進み、「調整」「根回し」の重要性はますます低下している。

一方で現場の人の需要は変わらない。

結局、どの会社も中間管理職がだぶつくようになり、真っ先にリストラの対象となる。

だからといってミドルの仕事がまったく不要になるわけではない。

ただし、その役割は変わってくる。

管理ではなく、「経営」が仕事となるのだ。

ただ、このような役割を持つ「中間管理職」は、従来よりも数的には少なくなるだろう。


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冨山氏は雇用体系はこれから劇的に変わっていくという。


『現在、日本企業の雇用体系は「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へと大きく変化しつつある。

「メンバーシップ型」は終身雇用を前提としたシステムであり、社員は会社から求められるまま、あらゆる場所であらゆる仕事を行うことになる。

アイデンティティは「〇〇会社の社員」にある。

一方、「ジョブ型」においては、その人がどんな仕事をするかが明確に定められており、それ以外の仕事をすることはない。

そのアイデンティティは「〇〇のプロ」にある。

前者は「ゼネラリスト型」、後者は「スペシャリスト型」といい換えてもいいだろう。

多くの起業が「ジョブ型」になる中で、誰もがどこかの段階で「リーダー層を目指すか、スペシャリストを、目指すか」の選択を迫られることになる。

日本でも医療(医師、看護師)や交通(運転手)は昔からジョブ型であり、産業・社会構造の変化でそういう産業領域の雇用はますます増えていく。

要は「ジョブ」としてチームワークや改善改良業務をしっかり定義し、フェアにそれを評価する人事考課を行っているか、に尽きる。

そしてこれらローカル型の産業は昔も今も将来も中堅・中小企業が中心である。

この30年間、大企業の正社員雇用比率は減少の一途。

今や勤労者全体の2割しかいない。

これはイデオロギーに関係なく先進国共通の現象で、米国はもちろん、高福祉国家で有名な北欧だって同じ傾向になる。

グローバル化が進むほど、デジタル化が進むほど、先進国経済はよりサービス産業中心に、より中堅・中小企業中心に、より契約社員的、ギグワーカー的、フリーランス的な働き方にシフトしていく。

よくいえば、愉快に人生を送れるモデルは多様化し、リーダー像もさまざま。

そこに到達する道も多様化する。

悪くいえば、真面目に勉強していい大学を出て大企業にもぐり込めれば年功で出世できる定番のリーダー指定席は消えていく。』


冨山氏は、このコロナ禍で、L(ローカル)型産業と呼んでいる分野、すなわち飲食・サービス業・小売業、エンターテインメント業、そしてインバウンドに沸いていた観光業や宿泊業などが軒並み大ダメージを受けることになったという。

そのL型産業は日本のGDPの7割を占める基幹産業群なのだ。


そして、その中小企業の生産性は低く、日本の全体の生産性を押し下げていると言われている。

しかし、今後、世界の働き方の趨勢である「ギグワーカー的」、「フリーランス的」になっていけば、生産性も上がっていくはずだ。


また、冨山氏は、日本は今後GAFAを追いかけてはいけないという。

周回遅れになった私たちが目指すべきは、新しく始まろうとしているレース、ローカルな地域密着産業群、エッセンシャルワーカーが働く産業群、中堅、中小企業が主役の経済圏で、CX(コーポレートトランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現して、破壊的イノベーションの果実をそこで生きる人々に生き渡らせ、社会の持続性を取り戻すことだと言う。

そして、この新しいレースこそが世界が抱える問題に日本発のソリューションを提示する、新しい時代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」への王道でもある、と。

地域に根差した卓越した仕事をすることで、日本全体、さらには世界に重要なロールモデルを提示する、大げさにいえば新しい歴史を創る道筋があるという。

まさに、地方の時代だ。

ローカル産業が活性化することこそが、日本の再生につながる。





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