人の心に灯をともす 5487 消滅言語

【消滅言語】5487



柏野和佳子(かしのわかこ)氏の心に響く言葉より…



現在、世界には6000~8000の言語があると言われています。

そのうち文字を持つ言語は400前後。

実は文字のない言語のほうが、ずっと多いのです。


たとえば、西アフリカで暮らすモシ族は、歌や太鼓の音(ね)で村の歴史を語り継いでいます。

また、オーストラリアの先住民のアボリジニは、5~6万年前から水場や獲物の居場所を絵で記録して残してきました。

じつはわたしたち日本人も、ずっと昔は文字を持っていませんでした。

1世紀頃に中国から漢字が伝わり、そこから長い時間をかけて、ひらがなやカタカナといった日本独自の文字が生まれたのです。


世界の人口は、約80億5000万人。

そのうち日本語を母国語として話している人は約1億2000万人います。

これは世界で9番目の多さです。


また、第2外国語話者(母国語じゃないけど話せる人)まで含めて数えると、1位は英語で約13億人まで増えます。

一方、日本語の話者は変わらず順位は13位に低下。

つまり日本語は、ほぼ日本人しか話していない言語なのです。


英語を話す人は、世界に約13億人います。

世界人口が約80億人なので、約6人に1人が英語を話しているわけです。

その一方で、世界には3人しかしゃべらない言語もあります。

アフリカ大陸の西にあるカメルーンの民族が使う「ブスー語」です。


2005年の調査時点で、村に住む3人の老人だけが使っていたため、消滅がとても心配されています。

ユネスコの発表では、こうした消滅の危機にある言語が、2009年時点で世界に約2500もあるそうです。

じつは北海道のアイヌ民族が話す「アイヌ語」もその一つ。

今では100人程度しか話せません。


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あらゆる予測の中で、人口の予測が一番外れないという。

現在の出生数の減少は、25年前にほぼ誤差なく予測されていた。


また、経済界有志や有識者らでつくる「人口戦略会議」は、人口減少問題に関し、2020年から2050年にかけて、全体の4割超にあたる744自治体が「消滅する可能性がある」とする分析結果を公表した。

2050年には日本の人口は1億400万人余りとなり、東京を除くすべての道府県で2020年より減少する見通しだ。

2050年までの30年間で人口減少率が最も大きいのは、秋田で42%、青森が39%、岩手と高知が35%となっている。

全体の2割にあたる11の県では30%以上減少するという。


日本語は日本人しか話さない。

今は世界で9位であったとしても、人口が減れば相対的に下がってくる。


また、明治時代は一時、漢字がなくなりかけた。

英語のアルファベットは26文字しかない。

富国強兵を進めていた時代、苦労して漢字を覚えるよりも、漢字をなくして他の勉強をしたほうがいい、という理由だ。

作家の志賀直哉は「フランス語を公用語にすべきだ」といい、初代文部大臣、森有礼は「英語を公用語にすべし」といった。


日本語は、漢字、ひらがな、カタカナの入り混じった言葉だ。

もし、これらをなくしていたら、日本の文化は著しく衰退しただろう。

同時に、人口減による日本語を使える人口も激減する。


人口消滅都市と消滅の危機にある言語。

「建設は死闘、崩壊は一瞬」

という言葉がある。


何代にもわたり営々としてつくりあげてきた日本語。

崩壊は一瞬だ。

我々は、これを次世代のために守っていく必要がある。






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