人の心に灯をともす 5453 謀(ぼう)を伐(う)つ

【謀(ぼう)を伐(う)つ】5453



田口佳史(よしふみ)氏の心に響く言葉より…


《上兵(じょうへい)は謀(ぼう)を伐(う)つ。》


戦う前にまずたしかめるべきは、相手に戦う気があるかどうかだ。

そのうえで「ある」とわかったら、相手が戦う気をなくすように仕向けるといい。

それもまだ戦いの芽が小さいうちに摘み取ってしまうことが望ましい。




「天下の難事(なんじ)は必ず易きより起こり、天下の大事は必ず細(ちいさ)きより作(お)こる」

これは老子の言葉。

天下の難事・大事といえども、事の起こりは簡単に解決できる些細なものだったという意味です。

戦いも同じ。

ある日突然、「さぁ、戦争だっ!」と始まるわけではありません。


ですから、相手の闘争心の芽をできるだけ早い時期に摘み取っておけば、戦いになることを未然に防ぐことができるわけです。

たとえば、ライバル会社が自分の会社と同じクライアントを狙っていると察せられるようなとき。

私なら、すぐにライバル会社の社長なり担当者なりに会いに行って、うちと争う気があるかないかをたしかめます。


そのときは丸腰で行くのがポイント。

前にも言いましたね。

大した人物ではないように思ってもらったほうが、相手はこちらをなめてかかり、本音をポロリと洩らすからです。

そうしていろんな話を聞きだしながら、「戦意あり」とわかったら、その瞬間から態度を豹変させることが大切です。


可能な限りの方法と回数で歴戦の強者としての実力を示し、自分たちの会社がいかに多くの戦いを勝ち抜いてクライアントを獲得してきたかをアピールするのです。

加えて、こちらが相手の弱みを研究し尽くしていることも明確に示し続けます。

それで相手のこちらに対する印象は大分変わります。

さらに、この戦いが「労多くして益少なし」と相手に思わせるような要素を次々と示していきます。


こんなふうに、相手に早い段階で「こいつと戦っても勝てないな」と思わせる。

それが孫子の言う「謀を伐つ」ということ。

これができれば、戦う前にライバルたちをどんどん排除していけるのです。


《戦う前に相手の戦闘心をくじく》


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「謀略」とか、「はかりごと」、「たくらみ」というと、日本では、あまり印象がよくない。

相手を陥(おとしい)れるという、卑怯(ひきょう)で悪い人間のように思われるからだ。

だから、「だました方が悪い」という結論になる。


確かに、だます方が悪いのに決まっている。

しかし、これが、こと生死にかかわることなら、そうも言っていられない。

だまされたら死んでしまうからだ。


特に戦争を回避するためなら、あらゆる権謀術数は駆使されてしかるべきだ。

世の中のことは、すべてが正しいことや正論で解決できるわけではない。

悪のパワーには、それ以上のパワーをもって臨まないと負けてしまう。


戦いをなくすために、「相手の戦意をなくしてしまうこと」…

ときには、「謀(ぼう)を伐(う)つ」ことも大事だ。






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