人の心に灯をともす 2962 革命のファンファーレ

【革命のファンファーレ】2962


西野亮廣氏の心に響く言葉より…


「やりたいことが見つからない」

これを読んでいるあなたも、もしかしたら、その一人かもしれない。

そして、大人はあなたを指して、「ゆとり世代」だとか、「さとり世代」だとか、「草食」だとか云々かんぬん。

自分達に比べると、まるで最近の若者は“人としての能力が低い”といった言い草だ。


ただ、「最近の若いヤツは…」という苦言は、それこそエジプト古代遺跡にも象形文字で刻まれていたぐらい手垢のついた言葉で、おそらく人類誕生時から今までずーっと言われ続けていることだろう。

もし、その言い分が正しければ、理論上、人類なんて、とっくに絶滅している。

スケールダウンを繰り返している生物が生き残るわけがない。


だけど、僕らは今日も生きている。

時代や環境に合わせて、アップデートを繰り返してきたからだ。

動物であろうと、植物であろうと、いつの世でも種として優秀なのは“年下”で、これは抗(あらが)いようのない自然界のルールだ。


若者世代への批判は、そのほとんどが“進化への乗り遅れ”に他ならない。

だから僕は年下を肯定するところから考えはじめるようにしている。

そのことを踏まえた上で、正直に言うと、少し前まで、「やりたいことが見つからない」という言い分を僕はまるで理解できなかった。

僕は小学校2年の頃に芸人に憧れて、そのまま今まで来ちゃったので、余計に。

「なんで、やりたいことがないの?」と思っていた。


でも、「やりたいことが見つからない」を肯定するところから考えてみると、なるほど、理解ができるようになった。

ようやく年下の背中が見えてきた。


こんなことを言うと先輩方から怒られるかもしれないけれど、僕より上の世代は、僕より下の世代のように「職業に寿命がある」という体験をしてこなかった。

多くの大人は「職業は永遠に続く」という前提で話を進めてくる。

だから、すぐに、「お前は何やさんなんだ?!」と肩書を付けたがる。


上の世代の皆様には申し訳ないが、今はそんな時代ではない。

スマホの登場以降、職業がなくなる場面をたくさん見てきただろう?

アマゾンンに潰された本屋さんを見てきただろう?

「ロボットタクシー」という言葉が飛び交っている今の時代に、「タクシードライバーになりたい!」という発想にはならないだろう?


15年前は「タクシードライバーという職業がなくなるかもしれない」なんて想像もしなかった。

20年前は、日本の本屋さんがここまでのハイペースで潰れていくことなんて想像もしなかった。

職業そのものがなくなっていく時代に突入し、副業、兼業、転職が常識になりつつある。

上の世代は、職業をたくさん掛け持つと「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」と咎(とが)めてくるけど、どっこい、やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ。


生物が生き残ろうとして、何が悪い。

今の時代に「〇〇になる!」と肩書を一つに決め込む方が、よっぽど危険だ。

やりたいことが見つからないことは、間違いでも何でもない。

肩書が猛スピードでなくなっていく時代にキチンと対応できている証拠だ。


「アッチがダメなら、コッチだ!」と、肩書を移動できる準備ができているわけだ。

周りはとやかく言ってくるかもしれないが、肩書を一つに絞れずに肩身の狭い思いをしているあなたは大丈夫、何も間違っちゃいない。

いくつかの職業を掛け持つことで新しい選択肢だって生まれる。


具体例を挙げる。

僕は去年、『えんとつ町のプペル』という絵本を発表したんだけれど、この作品の制作に費やした時間は4年半だ。

これは、芸人としての収入があったらから可能だったわけで、絵本作家一本で活動していたら、4年半も収入が途絶えてしまうような作品の制作には手を出すことができない。


肩書を複数個掛け持ち、収入源を複数個確保できていたから、そういった作品を作る権利を手にすることができたわけだ。

「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」という常識に従っていたら、生まれてこなかった作品だ。


革命のファンファーレは鳴った。


農業革命よりも、産業革命よりも、大きな革命が、よりによって僕らの時代を直撃した。

情報革命だ。

インターネットにより、距離や時間の壁がなくなった。

突然、距離や時間に結びついていたいくつかの仕事もなくなる。

くわえて、ロボット技術もグイグイ伸びてきている。

ものの売り方が変わり、働き方が変わり、お金の形が変わり、常識が変わり、道徳が変わっていく。

超高速回転で。


そして、残念なことに、経験したことを僕らに教えてくれる存在であったハズの親や先生は、この革命を経験していない。

たとえば、あなたの親は、あなたにこんなことを言うだろう。

「好きなことして生きていけるほど、世の中は甘くない」と。

親世代の常識は「お金=ストレスの対価」だ。


ところがどうだ?

ストレスがかかる仕事から順にロボット化されていき、ストレスがかかる仕事がみるみる世の中からなくなっていくではないか。

自動改札機が生まれ、改札口から駅員が姿を消したような変化が、今アチコチで起こっている。

「好きなことして生きていけるほど、世の中は甘くない」と言われても、好きでもない仕事は消え、好きなことしか残らなくなってきている。


ここからは、“好きなことを仕事化するしか道が残されていない”時代だ。

多くの親や先生は、この変化をとらえていない。

彼らは、この大波の乗り越え方を知らないのだ。


したがって、僕らは自分自身の手や足を使い、僕らの身の回りに起こっている変化を、学び、実践し、思い知り、対応していかなければならない。

この変化から目を背けた人間から脱落していく。

既得権を守り始めた人間から終わりが始まる。

頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている。

面白いじゃないか。


変化しなくても良かった世代の常識と、衝突することもあるだろう。

あなたが革新的な動きを見せれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる。

旧態依然とした連中は、あなたの提案の本質を知ろうともせず「炎上=悪」という印象操作をし、そして、世間の批判はあなたに集中する。

単純に彼らの理解が追いついていない場合もあるが、そこに発生する批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。


ならば、そんな批判を甘んじて受けようじゃないか。

変化しなければ死んでしまう時代なのだから。


何が必要になり、何が不必要になったのか?

どの職業がなくなり、何が職業となるのか?


常識のアップデートを止めてはならない。


『革命のファンファーレ』幻冬舎





行徳哲男師はこう語る(感奮語録より)。


「四面楚歌こそ最高である。

ニーチェの言葉に『汝の周辺の一切が汝に反対する時、汝が最も幸せなときである。なぜなら、生きている最も鮮烈なときだから』とある。

いろいろな攻撃を受けたときは、生きていることが最も鮮烈であるというのである」


「若者よ。

いつの時代でも変革は若者から始まった。

いつの時代でも、疑問、覚醒(かくせい)、憤怒(ふんぬ)は若き者の特権だ。

安寧、規制、常識は老いた者の繰り言にすぎない」


人の「問題が起きた時、それに対する姿勢」は二つしかない。

一つは、現状打破の姿勢であり、もう一つは、現状維持の姿勢だ。

現状維持とは、結局は何もしないという姿勢であり、問題は一つも解決しない。

変化に対するは、現状打破の姿勢しかない。

しかしながら、人が変革しようと行動を起こせば、現状維持の姿勢の者たちから、抵抗されたり、批判にさらされたりする。

それが激しければ、四面楚歌になる。


《あなたが革新的な動きを見せれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる》

もうすでに、革命のファンファーレは鳴った。

情報革命という、この時代の大きな変化を乗り越えたい。








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