人の心に灯をともす 3680 アライアンス、人と企業の新しい関係

【アライアンス、人と企業の新しい関係】3680



リンクトイン創業者、リード・ホフマン氏の心に響く言葉より…


終身雇用の時代にも戻れず、現状維持もできないならば、今こそ雇用主と社員の関係を見直す時ではないだろうか。

ビジネスの世界は、相互信頼と相互投資、そして相互利益を高めるような新しい雇用の枠組みを必要としている。

転職を繰り返す傭兵のようなジョブ・ホッパーにならなくても、社員に、個人のネットワークを広げる行動、起業家精神に富んだ行動を促す。

そんな枠組みが、一つの理想となるだろう。

そのような雇用の枠組みがあれば、企業自身も、変化へのどん欲さや社員への要求水準の高さを保ちながらも、社員を使い捨て資産のように扱おうとは考えなくなる。


雇用を「取引」ではなく「関係」としてとらえるための枠組みを示すこと、雇用を「アライアンス」だと考えてみよう。

自立したプレーヤー同士が互いにメリットを得ようと、期間を明確に定めて結ぶ提携関係である。

マネジャーと社員がお互いを信頼して相手に時間と労力を投入し、結果的に強いビジネスと優れたキャリアを手に入れる。

「アライアンス」は、そのために必要な枠組みとなるのだ。


アライアンスの関係は、雇用主と社員が「どのような価値を相手にもたらすか」に基づいてつくられる。

雇用主は社員に向かってこう明示する必要がある。

「当社の価値向上に力を貸してほしい。当社も『あなた』の価値を向上させよう」

ベイン・アンド・カンパニーのチーフ・タレント・オフィサー、ラス、ハーゲイも、新入社員や社内のコンサルタントに向けて同じことをいっている。

「我が社は君たち(一般的な労働市場で)の市場価値をさらに高めるつもりだ」


一方で、社員は上司に向かって次のように明示する必要がある。

「私が成長し活躍できるように手を貸してください。私も会社が成長し活躍するための力になりましょう」

社員は会社の成功のために時間と労力を投入し、会社はその社員の市場価値向上のために時間と労力を投入する。

ただカネと時間を交換するのではなく、互恵的な提携関係を結ぶことで、雇用主と社員がこの関係に投資でき、より大きな果実を狙うために必要なリスクを負えるようになる。


たとえば、せっかく大金を投じて社内研修や人材開発プログラムを実施しても、その数ヶ月後には受講者が会社を辞めていく姿を見て、人事部長や経営幹部の多くは歯ぎしりする。

自社の社員をフリーエージェントと見なすなら、研修予算を大幅にカットするのが自然な対応だ。

なぜ、わざわざ競合の採用予定者を研修する必要があるのか。

だが、アライアンスなら違ってくる。

マネジャーは部下の社員に対し、会社がその社員にどのような投資をするつもりか、そしてかわりに何を求めるのか、オープンに誠実に伝えることができる。

社員の側は、自分がどんな成長をしたいのか(スキルか経験か、など)、そのかわりに努力と献身を通して、会社にどんなメリットをもたらそうと思っているのか、オープンに誠実に語れるようになる。

両者とも自分の期待値をはっきりと相手に示すのだ。

会社とマネジャー、社員の三者がこのやり方を採用すれば、三者ともが中・長期のメリットを最大化することに集中できる。

三者で分け合うパイは拡大し、会社のイノベーションとレジエンス」(復活力)、そして適応力は高まる。


ネットフリックスのCEOリード・ヘイスティングは、同社の企業文化をテーマにした有名なプレゼンテーションで次のように述べている。

「我々はチームであって家族ではない」。

続けて彼は、マネジャーたちにこう自問するよう勧めた。

「うちの社員がもし同業他社に転職して似たような仕事に就くといった時、あなた自ら必死で遺留するのはどの社員だろうか?それ以外の社員はみな、今すぐ手厚い退職金を出した上で辞めてもらおう。そうすれば、その仕事ができるスター人材の獲得に向けて、空席ができる」。


自社を「家族的」と表現するCEOは、ほとんどの場合、なんら悪意を持たずにいるのだと思う。

彼らが社員との間に築きたいと願っているのは「帰属意識を持てる一生の関係」である。

それを表現するモデルを探して「家族」という言葉に行き着く。

だが、この言葉は誤解を生みやすい。

本当の家族なら、両親が子供をクビにすることはできない。

我が子の働きぶりが悪いからといって縁を切る親を、ちょっと想像してみよう。

現実にはありえない話だ。

しかし、自社を家族だと表現した後でレイオフを実行するCEOは、実質的にこれと同じことをしている。


これと対照的に、プロスポーツのチームには具体的な使命(試合に勝ち優勝すること)があり、使命達成のためにメンバーは一丸となる。

チームの顔ぶれは時とともに入れ替わるが、それはメンバーが他のチームに移ると決めたから、もしくは、チームの経営陣がメンバーを切ったりトレードしたりすると決めたからだ。

この点で、ビジネスは家族というようりもはるかにスポーツチームに似ている。


プロのスポーツチームは終身雇用を前提としていないにもかかわらず、相互信頼と相互投資、そして互恵の原則が機能している。

個人の栄光よりもチームの勝利を優先するほどメンバー同士の信頼が強い時、チームは勝つ。

逆説的だが、そのようにしてチームとして勝つことが、メンバーの個人的成功にとっても最短の道になる。

常勝チームのメンバーは他チームから引っぱりだこになるが、それは彼らがスキルを発揮することに加えて、新しいチームでも「勝つためのカルチャー」を築くことができるからなのだ。


スポーツチームの比喩は、我々がどのように、そして何のために「一緒に働く」かを浮き彫りにしてくれる。

そのうえで「家族」の比喩にも改めて意味を見出すことができる。

我々がどのように「お互いの関係をつくる」かをはっきりと示してくれるからだ。

思いやりと深い理解、そして敬意を持って関係をつくるべきなのだ。

自社のOB・OGを集めた「卒業生」ネットワークを構築するメリットの一つは、会社と社員の関係を家族のようなものにできる点にある。

しかも、同じ屋根の下に暮らさなくなった後でもこの関係は続く。


『ALLIANCEアライアンス』ダイヤモンド社




リード・ホフマン氏は「リンクトイン」の事例でこう述べた。(本書より)

『リード・ホフマンはリンクトインの創業当時、才能ある社員にストレートにもちかけた。

相手が2~4年のコミットメント期間に参加し、リンクトインの事業に大きな貢献をしてくれたら、ホフマンおよび同社は、彼らのキャリアアップに力を貸そう…そのキャリアアップが、リンクトイン社内における次のコミットメント期間になることを望みつつ…という条件である。

このやり方はうまくいった。

会社側は、リンクトインのために目に見える成果を上げようとする熱心な社員を獲得できた。

さらにその社員が、一回または複数回のコミットメント期間を経て同社を去った後も、リンクトインのよさをあちこちで喧伝したり、会社にプラス効果をもたらしたりし続けてくれるケースが少なくなかった。

社員側も、自分のスキルと経験を高めることでキャリアをガラリと一変できた』



「アライアンス」(alliance)とは、もともとの意味は英語で『提携』『連合』『協力』『同盟』『縁組み』を意味し 、複数の異業種企業が互いの利益のために協力しあう経営スタイルのことをいう。

ビジネスパートナーになることを言うが、既成の業界にはない新たな価値を創造できるメリットは大きい。

日本では、ある企業とアライアンスを組む、などという使い方をするが、本書の中では、これを社員と会社との関係で使っている。

これをイコールパートナーシップというが、対等の立場で協力しあったり、提携する関係だ。


終身雇用が難しくなり、副業や複業、あるいは転職がクローズアップされる現代、今までとは違ったあらたな働き方や考え方が必要だ。

それが、この「アライアンス」。

人と企業の新しい関係を模索したい。








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