人の心に灯をともす 3348 パブリック・スピーキング

【パブリック・スピーキング】3348



小山竜央氏の心に響く言葉より…


パブリック・スピーキングという言葉は、一般的には「人前で話すこと」、すなわち複数の人の前で自分の考えや意見を話す行為を表します。

そういう意味では、社会人であれば誰もが多かれ少なかれ必要とするスキル。

ここで私がお伝えしたいのは、「パブリック・スピーキング」というのは広い意味での「広報」活動である、ということです。

「広報」というのは広い意味では、自分自身の考え方、自分自身のブランディング、これら全体を社会に広めていくという活動です。


パブリック・スピーキングとは、自分の考え、存在を社会に広めることである…。

そう考えると、「社会とのつながり」がまず重要であることがわかります。

つまり、スピーカーとしてまずやるべきことは、話し方のテクニックを学ぶことでも、伝わる心理学のネタを増やすことでもなく、「社会とのつながり」を作ることなのです。


言い換えれば、コミュニケーションを取るということです。

AIではない、生身の人間であるからこそ、必ずその人と心が触れ合う瞬間があるはずです。

コミュニケーションとは、このことです。


ここで大切な1つ目のステップは、「アイコンタクトを取っているかどうか」。

つまり、「人の目を見ているかどうか」です。

そして次に、「笑顔かどうか」、すなわち相手の目を見て微笑んでいるかどうか。

これが2つ目のステップです。


最後の3つ目は、「自然体かどうか」。

手っ取り早く言えば、この3つのステップの状態ができていれば、最初のコミュニケーションが取れている、すなわちパブリック・スピーカーの基本はできています。


スピーキングというとだいたい聞かれるのが、次のような質問です。

「どうやったらうまく話せるようになりますか?」「どういうテーマを、どの順番で話せばいいのでしょうか?」「どうすればお客様を熱狂的に巻き込めるんですか?」…。

私の回答はいつもこうです。

「リサーチしろ」。

ただそれだけです。


実に単純な理屈です。

数多くのプレゼンテーションの本を読んで学んでも、実際に壇上に立つと伝わらないのは、お客様のリサーチをしていないからなのです。

これは、プレゼンやセミナーはもちろん、交流会でもどこでも、人が集まる場ならそうです。

どんな場所でもそこであなたの言葉を響かせたければ、そこに来ている人がどんな人たちなのかを、まずリサーチする必要があります。


どれほどテクニックを学んでも、その場のお客様が求めているものと、こちらが言いたいことがずれていた段階で、どんな理論やテクニックも意味がなくなります。

使ってもほぼ無駄です。

それを多くの人が理解していないわけです。


最後に、私がパブリック・スピーカーに欠かせないと思う要素を、もう1つだけ挙げましょう。

それは、会場に来た人を行動させる人である、ということです。

話を聞いたその場では感動しても、家に帰ったらもう忘れている、といった講演会がよくあります。

もちろん、そいうただ「良い話」をして帰っていくスピーカーがいてもいいでしょう。

ただし、私の定義ではそういったスピーカーは三流です。


相手の貴重な時間をいただいて会場に来てもらっているわけで、テレビや動画の番組を見ているわけではありません。

話を聞いたお客様が「もう、動かなきゃダメだ。絶対私はこれをやるんだ」という気持ちになって、行動を起こしてこそ、そのスピーカーはパブリック・スピーカーだと思います。

私はスピーキングする人には、「必ずゴールを決めて話してください」とお伝えしています。

何のためにこの場で話をするのか、そのゴールをあらかじめ決めておくのです。

別な言葉で表現すれば、「ゴールを決める」とは、来た人に最終的に何をさせるかということです。

何をさせるにしろ、それは英語で言うと「Do」、つまり行動させることになります。


あなたがスピーカーとしてやらなければならない最後のゴールというのは、聴衆を行動させることです。

相手が動くかどうか、これがパブリック・スピーカーと一般的なスピーカーを分ける大きな違いになります。


『パブリック・スピーキング』KADOKAWA




孫子の兵法の有名な一節がある。

「彼(かれ)を知り己(おのれ)を知れば百戦殆(あや)うからず」

敵を知り、味方を知って、情勢をしっかりと把握していれば、何度戦っても敗れることはない。


スピーチする相手は敵ではないが、これは、営業でも、マーケティングでも、サービス業でも、同じことが言える。

相手(顧客)の好みや、欲していること、ニーズ、などを詳細に知る。


優秀なインタビュアーは、インタビューする前にその対象者を徹底的に調べると言う。

相手が作家なら、その全作品を隅から隅まで読み込む。

そうしてから、インタビューするから迫力が違う。


聴衆を行動させるようなスピーカーをめざしたい。






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