人の心に灯をともす 3635 ギグ・エコノミーとは

【ギグ・エコノミーとは】3635



ダイアン・マルケイ氏の心に響く言葉より…


現代社会の働き方を、終身雇用の正社員から無職までずらりと並べたとしよう。

ギグ・エコノミーとは、そのふたつに挟(はさ)まれたさまざまな労働形態を幅広く含む概念である。

コンサルティングや業務請負、パートやアルバイト、派遣労働、フリーランス、自営業、副業のほか、アップワークやタスクラビットといったオンラインプラットフォームを介したオンデマンド労働などが当てはまる。


ギグ・エコノミーはまだ発展の初期段階にあるが、すでに世の中の働き方を大きく変えようとしている。

ひとつ前の世代までは、正社員としてフルタイムの職に就き、定年まで同じ会社に勤めあげるか、転職してもせいぜい1回というコースが当たり前だった。

安定した昇給、手厚い福利厚生、長期勤続の末にもらえる退職金。

これらを期待して人生の見通しを立てることが、今引退を迎えている世代までは可能だった。

そんな敷かれたレールの上を走っていればよかった出世の道は、これからはきわめて狭い道になる。

労働者を取り巻く環境はたった一世代のうちにがらりと変わり、安全・快適・着実に働ける定職をたっぷりと積み込んだ最終列車はもう発車してしまった。


わたしの教え子がMBAの取得後に足を踏み入れようとしている仕事の世界は、まったく様子が異なる。

彼らはひとつの定職に収まろうとは考えておらず、およそ3~5年で転職を繰り返すプランを描いている。

多様な仕事と経験に彩られた職業生活を送るつもりなのだ。


大学を出て就職し、結婚して家を買い、子供が独り立ちするのを見届けて引退するという昔ながらの人生すごろくは今でも不可能ではないが、定職・安定収入・定期昇給が支えてきた強固な足場が崩れゆくなら、成し遂げるのがどんどん難しくなってきている。

ギグ・エコノミーなら、一人ひとりに合った見通しと道筋を描くチャンスが広がる。

ギク・エコノミーに参加する人々が増えていくにしたがって、世の中の働き方は言うに及ばず、生き方までも変わると考えられるからだ。


企業にとって、いちばんコストが高く柔軟性の低い労働力がフルタイム従業員である。

アメリカの労働市場は、フルタイム従業員を雇うと企業の税負担がもっとも重くなり、福利厚生や各種保険も充実させなければならない構造になっている。

独立請負人と比べて人件費が3~4割も高くなるのだ。

このような状況のなかで、従業員を独立請負人に切り替える流れがあらゆる業種で定着し、さらに加速している。

企業は人件費を抑えつつ柔軟性と効率性を高めるために、労働力をプロジェクトごと、作業ごと、あるいは時間単位で調達するようになってきた。

たとえば、以前なら常勤のマーケティングマネージャーを雇っていた仕事も、今では広報をパートタイム従業員に任せ、ソーシャルメディア業務をフリーランサーに、コピーライティングを受託業者に外注すれば事足りてしまう。

必要なときだけ発注し、発注したぶんだけ支払うということが可能なのだ。


とはいえ、フルタイム従業員の需要がまったくなくなることはないだろう。

特定のスキルや能力を確保するためや、人間関係が大切なポジションを任せるため、主要事業の品質や一貫性を保つためなど理由はさまざまだが、フルタイムで雇いたくなるほど不可欠の社員や引く手あまたの人材、上級の管理職がこれからも企業の中核を担(にな)うからだ。

しかし、周辺的な業務については、従業員と業務請負人とで経済面で明らかな格差を生んでいる労働政策が変わらないかぎり、独立の労働者に対する需要は伸びつづけるにちがいない。


『ギグ・エコノミー』日経BP社




「ギグ・エコノミー」とは、単発や短期の仕事という意味だが、インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済形態のことをいう。

「ギグ(gig)」の本来の意味は、ほぼ初対面のミュージシャン同士が、その場で音を合わせて、単発の即興ライブをするというような場合に使ったという。

この場合は、ある一定以上の技術をもったプロのミュージシャンが集まらないと成立しない。


実際でいうなら、ネット経由で配車されるウーバーの運転手とか、日本ではランサーズのようなデザイナーやwebシステム開発者や技術者等をつなげる仕組みがある。

また、身近な例でいえば、シルバー人材センター等で頼む、草むしりや、植木の刈込、運転や清掃、家事代行等の作業もその一つだ。


最近では、新興国や海外のデザイナーや技術者に発注するという、国をまたいだ仕事の頼み方も多くなってきている。

デジタル化が世界的に進んでいる今、この傾向は今後ますます強くなるはずだ。


しかしながら、勤める場所や、仕事の種類もいくつかあるという仕事の仕方は、古い考え方の人には、まともにしっかりと働いていないというイメージを持たれてしまう。

一つの会社でコツコツと定年まで長く勤めあげることこそが仕事というものだ、と思っているからだ。


働き方が大きく変わりつつある現代…

ギグ・エコノミーで新たな価値を創造したい。









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