人の心に灯をともす 6098 「いい質問」は「いい未来」を連れてくる

【「いい質問」は「いい未来」を連れてくる】6098



マツダミヒロ氏の心に響く言葉より…


《「情報」より「問い」が価値を持つ時代》


かつては、知っていることが力でした。どれだけ多くの情報を記憶し、正解を素早く導き出せるか。

それが仕事のスピードや成果に直結していたのです。

でも、今、状況は大きく変わりました。


なぜなら、情報はあふれており、しかもその多 くが誰でも瞬時に手に入る時代だからです。

検索すれば、どんなトピックでも基本的な情報はたちまち出てきます。

もっといえば、AIが代わりにまとめ、整理し、要約までしてくれます。


この状況下で、「知っていること」や「調べるスピード」そのものが、以前ほどの価値を持たなくなってきているのです。

では、これからの時代に、ぼくたちは何を磨くべきなのでしょうか?

その答えが、「問いを持つ力」、つまり質問力です。


なぜなら、今のところAIは自ら動き出すことはできません。

ぼくたちが問いを投げかけてはじめて、AIは動き出す。

逆にいえば、問いがなければ、どんなに高性能なAIも沈黙したままです。

つまり、主導権はいつも人間にあるということです。


ここで大切なのは、どんな問いを投げるかによって、AIの応答の質がまったく変わっ てくる、という事実です。

たとえば、「○○とは何か?」と尋ねれば、AIは一般的な定義を答えてくれます。

これは、検索エンジンや辞書を使うのと似たような使い方です。


けれど、AIの真価が発揮されるのは、もっと複雑で、答えが一つに定まらない問いを投げたときです。

たとえば、 「○○について異なる立場から見た意見は?」 「このテーマを5歳児にも伝わるようにできる?」といった、多面的な視点や創造的な応答を求める問いです。

こうした問いに対して、AIは「多様解」を提示してくれます。

それこそが、今ぼくたちがAIを使ううえで大切にしたい価値です。


AIは「唯一の正解」を求める道具ではありません。

むしろ、「たった一つの答えを知る」ためだけにAIを使っていると、そのポテンシャルを十分に活かしきれないのです。

AIは、異なる視点、意見、方法、仮説を組み合わせ、複数の可能性を示してくれる存在です。


つまり、AIの強みは“多様”を引き出すことにあります。

だからこそ、求められるのは、そうした多様な答えを導く「問い」を持てるかどうか。

問いの質こそが、これからのぼくたちの知性を形づくる鍵になるのです。


「知っているか」より、「どんな問いを立てられるか」。

「正解を早く出す」より、「まだ誰も問うていない視点を持つ」。

そんな姿勢が、 AI時代のぼくたちに必要とされる“知の態度”ではないでしょうか。


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坂本龍馬は、西郷隆盛と初めて対面したときに、西郷を評してこう語ったという。

「西郷という人物は、小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く、釣鐘のような男だ。

もし、馬鹿なら大馬鹿で、利口なら途方もなく大きな利口だ」


これは、AIに対する我々の問いかけと同じだ。

AIに、表面的で浅い質問をすれば、浅い答えが返ってくる。

本質的で深い質問をすれば、深い答えが返ってくる。


問う側の、今までの学びの量や質が、ストレートに結果に反映される。

AIは、その人の学びの「深さ」や「浅さ」を映す鏡のような存在だともいえる。


知識を詰め込む時代は終わった。

だからこそ、これからの学びに必要なのは、「問いの質」を磨くこと。


マツダミヒロ氏は、こう語る。

「問いが変われば、思考が変わる。

思考が変われば、未来が動きだす。」


「いい質問」は「いい未来」を連れてくる。




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