人の心に灯をともす 6006 人生は二者択一の積み重ね
【人生は二者択一の積み重ね】6006
阿川佐和子氏の心に響く言葉より…
根が小心者のお調子者なので、日々落ち込んだり反省したりの繰り返しである。
自らの努力が足りないくせに、「どうせ才能ないもんね」などとすぐひがむ。
加えて、甘ったれでもあるから、ひがんだ後は誰かになぐさめてもらいたくなる。
「大丈夫。元気を出しなさい」 励まされれば、まもなく元気を取り戻す単純な性格ゆえに、今まで数限りない「優しい言葉」のお世話になってきた。
数年前にお会いした中国の映画監督である張藝謀(チャンイーモウ)氏の言葉も、私の人生において忘れられない一言となっている。
「小さい頃から映画がお好きだったんですか?」
質問すると監督は、軽く微笑んで、 「いや、子供の頃は、映画に興味を持つ余裕なんてありませんでしたよ」
張藝謀監督は現在(二〇〇七年) 五〇代の半ば。
父親が国民党の軍人であったため、対立していた共産党が天下を取り、文化大革命が始まってからは、夢も理想も持つことを許されない青春時代を送る。
しかしときは移り、虐げられた生活から少しずつ解放されるにつれ、そういう階級の若者にもチャンスが巡ってきた。
「大学へ入る枠が用意されたんです。
大学卒業という資格さえあれば今よりいい職にありつける。
だからどこの大学でもよかったんですよ。
体育大学で募集があると聞けば、毎朝、走る 訓練をして受けに行き、美術大学の募集があれば、毎日、絵を描き始めるという具合にね」
そんな勢いのなかで監督は、すでに年齢が二七歳になっていたが、ひたすら卒業資格に魅か れて映画専門大学への入学を果たす。
しかし、入った撮影科は自分より若い人だらけ。
これでは卒業後にカメラマンの仕事が巡ってこないかもしれない。
ふと隣の監督科を覗くと、年齢層が高い。
どうやらこちらのほうが将来性はあると判断し、ひそかに監督の勉強を始める。
「私の場合、映画大学に入ったのも監督をやるようになったのも、別に理想や情熱があった わけじゃない。
だから今でも私の家族は、どうして私が監督なんかになったのかわからないと言ってますよ」
そして監督は静かにおっしゃった。
「でもね、人生なんて、そんなものじゃないかと思うんです。
私のように理想なんか持たず、 運命に翻弄されて、いたしかたない選択を繰り返していても、いつのまにか道が開けているんですから」
目の前に突きつけられた二者択一を、その場の理由で選び続ける。
それがたとえ本意でなくとも、選んでいるのは自分である。
そしてその選択の積み重ねがどれほど予想外の方向へ行っ ていたとしても、自分が選んだ道なのである。
私はここで胸が熱くなった。
これまで、「人生の目標は何ですか?」と問われるたび、私は言葉に窮してきた。
そんなものはない。
専門分野も持っていない。
現在、自分が何屋だか、何になりたいのかもおぼつかない。
こんな人間は失格かしら。
長らく私は自分の生き方に自信が持てずにいた。
しかし張藝謀監督の言葉を知ってからは、少しだけ胸を張って答えられるようになったのだ。
「具体的な目標は何もありません。
ただ、今、目の前に与えられたことを楽しんで、誠意を尽くして、ときに怠けても、自分で選んだ責任を自覚して実行していけば、そんなに間違った 人生にはならないと思っています」
多少、自分に都合のいいように解釈している嫌いがあるけれど、張藝謀監督のさりげない一言が、ずっと私の支えであることにはちがいない。
『忘れられない、あのひと言』岩波書店
https://q.bmd.jp/91/119/6473/__no__
成功するキャリアの8割は偶然によってもたらされる、というスタンフォード大学のクランボルツ教授の「プランドハプンスタンス」理論というものがある。
多くの子供たちの将来の夢、「サッカーや野球等のスポーツ選手」、「ユーチューバー」「芸能人、タレント、モデル」等々のほとんどは叶わない。
大多数の人は、自分に起こる偶然の出来事によって、思ってもみなかった職業に就くことになる。
クランボルツ教授はよき偶然をつかみ取るのに必要な5つの大事な資質があるという。
それが・・・
●【好奇心】新しいことに興味を持つ
●【持続性】失敗してもあきらめない
●【柔軟性】計画を変えることを恐れない
●【楽観性】出来事を前向きに解釈する
●【冒険心】小さなリスクを取ってみる
目の前に突きつけられた二者択一を、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」を持って選んでいくと、人生は明るい方向へ開ける。
「人生は二者択一の積み重ね」という言葉を胸に刻みたい。
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阿川佐和子氏の心に響く言葉より…
根が小心者のお調子者なので、日々落ち込んだり反省したりの繰り返しである。
自らの努力が足りないくせに、「どうせ才能ないもんね」などとすぐひがむ。
加えて、甘ったれでもあるから、ひがんだ後は誰かになぐさめてもらいたくなる。
「大丈夫。元気を出しなさい」 励まされれば、まもなく元気を取り戻す単純な性格ゆえに、今まで数限りない「優しい言葉」のお世話になってきた。
数年前にお会いした中国の映画監督である張藝謀(チャンイーモウ)氏の言葉も、私の人生において忘れられない一言となっている。
「小さい頃から映画がお好きだったんですか?」
質問すると監督は、軽く微笑んで、 「いや、子供の頃は、映画に興味を持つ余裕なんてありませんでしたよ」
張藝謀監督は現在(二〇〇七年) 五〇代の半ば。
父親が国民党の軍人であったため、対立していた共産党が天下を取り、文化大革命が始まってからは、夢も理想も持つことを許されない青春時代を送る。
しかしときは移り、虐げられた生活から少しずつ解放されるにつれ、そういう階級の若者にもチャンスが巡ってきた。
「大学へ入る枠が用意されたんです。
大学卒業という資格さえあれば今よりいい職にありつける。
だからどこの大学でもよかったんですよ。
体育大学で募集があると聞けば、毎朝、走る 訓練をして受けに行き、美術大学の募集があれば、毎日、絵を描き始めるという具合にね」
そんな勢いのなかで監督は、すでに年齢が二七歳になっていたが、ひたすら卒業資格に魅か れて映画専門大学への入学を果たす。
しかし、入った撮影科は自分より若い人だらけ。
これでは卒業後にカメラマンの仕事が巡ってこないかもしれない。
ふと隣の監督科を覗くと、年齢層が高い。
どうやらこちらのほうが将来性はあると判断し、ひそかに監督の勉強を始める。
「私の場合、映画大学に入ったのも監督をやるようになったのも、別に理想や情熱があった わけじゃない。
だから今でも私の家族は、どうして私が監督なんかになったのかわからないと言ってますよ」
そして監督は静かにおっしゃった。
「でもね、人生なんて、そんなものじゃないかと思うんです。
私のように理想なんか持たず、 運命に翻弄されて、いたしかたない選択を繰り返していても、いつのまにか道が開けているんですから」
目の前に突きつけられた二者択一を、その場の理由で選び続ける。
それがたとえ本意でなくとも、選んでいるのは自分である。
そしてその選択の積み重ねがどれほど予想外の方向へ行っ ていたとしても、自分が選んだ道なのである。
私はここで胸が熱くなった。
これまで、「人生の目標は何ですか?」と問われるたび、私は言葉に窮してきた。
そんなものはない。
専門分野も持っていない。
現在、自分が何屋だか、何になりたいのかもおぼつかない。
こんな人間は失格かしら。
長らく私は自分の生き方に自信が持てずにいた。
しかし張藝謀監督の言葉を知ってからは、少しだけ胸を張って答えられるようになったのだ。
「具体的な目標は何もありません。
ただ、今、目の前に与えられたことを楽しんで、誠意を尽くして、ときに怠けても、自分で選んだ責任を自覚して実行していけば、そんなに間違った 人生にはならないと思っています」
多少、自分に都合のいいように解釈している嫌いがあるけれど、張藝謀監督のさりげない一言が、ずっと私の支えであることにはちがいない。
『忘れられない、あのひと言』岩波書店
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成功するキャリアの8割は偶然によってもたらされる、というスタンフォード大学のクランボルツ教授の「プランドハプンスタンス」理論というものがある。
多くの子供たちの将来の夢、「サッカーや野球等のスポーツ選手」、「ユーチューバー」「芸能人、タレント、モデル」等々のほとんどは叶わない。
大多数の人は、自分に起こる偶然の出来事によって、思ってもみなかった職業に就くことになる。
クランボルツ教授はよき偶然をつかみ取るのに必要な5つの大事な資質があるという。
それが・・・
●【好奇心】新しいことに興味を持つ
●【持続性】失敗してもあきらめない
●【柔軟性】計画を変えることを恐れない
●【楽観性】出来事を前向きに解釈する
●【冒険心】小さなリスクを取ってみる
目の前に突きつけられた二者択一を、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」を持って選んでいくと、人生は明るい方向へ開ける。
「人生は二者択一の積み重ね」という言葉を胸に刻みたい。
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