人の心に灯をともす 5576 心のスイッチ
【心のスイッチ】5576
藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
孔子にこういう言葉がある。
《苗(なえ)にして秀(ひい)でざる者あり。秀でて実らざる者あり》
学問をしても苗のままでいつまでも穂を出さない者がいる。
折角穂を出しても実を結ばずに終わってしまう者もいる。
弟子三千人といわれる孔子。
多くの弟子を育ててきた実感であり、慨嘆(がいたん)であろう。
《之(これ)を如何(いかん)せん。之を如何せんといわざる者は、之を如何ともするなきのみ》
孔子は『論語』の別のところでこうもいう。
どうしたら自分をもっと向上させることができるか、いかにしたら自分をもっと磨くことができるか。
真剣に問い、求めようとしない者は、この自分もどうすることもできない。
苗のままで終わるか、実を結ぶ者になるか。その差は感奮興起のいかんで決まる――孔子、痛憤(つうふん)の言葉である。
生涯を小中学生の教育に捧げた教育者、東井義雄さんに「心のスイッ チ」と題する詩がある。
感奮興起の大事さを託した詩である。
人間の目は ふしぎな 目
見ようという心がなかったら 見ていても 見えない
人間の耳はふしぎな耳
聞こうという心がなかったら
聞いていても聞こえない
頭もそうだ
はじめからよい頭 わるい頭の区別があるのではないようだ
「よし、やるぞ!」と
心のスイッチがはいると
頭も
すばらしい はたらきを しはじめる
心のスイッチが 人間を
つまらなくもし すばらしくもしていく
電灯のスイッチが
家の中を明るくもし 暗くもするように
『小さな人生論 4』致知出版社
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「ロバを水辺に連れていけても、ロバに水を飲ませることはできない」ということわざがある。
ロバを引っ張って行って水辺に連れて行っても、ロバが喉(のど)がかわいてなくて、水を飲みたくなければ、ムチで叩こうが、鼻ずらを水につけようが、ロバは水を飲まない。
これは人も同じで、やる気がない人に、いくら言っても、脅すように説得しても行動しない、ということ。
「感奮興起(かんぷんこうき)」とは、心に深く感じ、感動して、奮い起こること、発奮すること。
「発奮」とは、自分の、恥や、劣等感、貧乏などをバネにして、心を奮(ふる)い立たせること。
「やる気」とは、まさに、この「感奮興起」のこと。
ただし、「やる気」や「発奮」は熱いばかりではない。
冷静で、淡々とした大人の「やる気」や「発奮」もある。
それが継続だ。
継続は一時的な、燃えるような情熱だけでは長くはできない。
それが、「心のスイッチ」が入るということ。
スイッチをカチっと入れ…
黙々と継続する人でありたい。
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藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
孔子にこういう言葉がある。
《苗(なえ)にして秀(ひい)でざる者あり。秀でて実らざる者あり》
学問をしても苗のままでいつまでも穂を出さない者がいる。
折角穂を出しても実を結ばずに終わってしまう者もいる。
弟子三千人といわれる孔子。
多くの弟子を育ててきた実感であり、慨嘆(がいたん)であろう。
《之(これ)を如何(いかん)せん。之を如何せんといわざる者は、之を如何ともするなきのみ》
孔子は『論語』の別のところでこうもいう。
どうしたら自分をもっと向上させることができるか、いかにしたら自分をもっと磨くことができるか。
真剣に問い、求めようとしない者は、この自分もどうすることもできない。
苗のままで終わるか、実を結ぶ者になるか。その差は感奮興起のいかんで決まる――孔子、痛憤(つうふん)の言葉である。
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感奮興起の大事さを託した詩である。
人間の目は ふしぎな 目
見ようという心がなかったら 見ていても 見えない
人間の耳はふしぎな耳
聞こうという心がなかったら
聞いていても聞こえない
頭もそうだ
はじめからよい頭 わるい頭の区別があるのではないようだ
「よし、やるぞ!」と
心のスイッチがはいると
頭も
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「ロバを水辺に連れていけても、ロバに水を飲ませることはできない」ということわざがある。
ロバを引っ張って行って水辺に連れて行っても、ロバが喉(のど)がかわいてなくて、水を飲みたくなければ、ムチで叩こうが、鼻ずらを水につけようが、ロバは水を飲まない。
これは人も同じで、やる気がない人に、いくら言っても、脅すように説得しても行動しない、ということ。
「感奮興起(かんぷんこうき)」とは、心に深く感じ、感動して、奮い起こること、発奮すること。
「発奮」とは、自分の、恥や、劣等感、貧乏などをバネにして、心を奮(ふる)い立たせること。
「やる気」とは、まさに、この「感奮興起」のこと。
ただし、「やる気」や「発奮」は熱いばかりではない。
冷静で、淡々とした大人の「やる気」や「発奮」もある。
それが継続だ。
継続は一時的な、燃えるような情熱だけでは長くはできない。
それが、「心のスイッチ」が入るということ。
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