人の心に灯をともす 5592 素行自得(そこうじとく)
【素行自得(そこうじとく)】5592
安岡正篤師の心に響く言葉より…
『君子は其の位(くらい)に素して行ひ、その外(ほか)を願はず、富貴(ふうき)に素しては富貴に行ひ、貧賤(ひんせん)に素しては貧賤に行ふ。
夷狄(いてき)に素しては夷狄に行ひ、患難(かんなん)に素しては患難に行ふ。
君子入(い)るとして自得せざるなし。』(中庸)
『意気地なく、或いは卑怯に、現実逃避しないで、正直に、着実に、勇敢に、現在の境地に立脚して勇往邁進(ゆうおうまいしん)してゆくことを「素行」という。
素行してはじめて人間は自己を把握することができる。
これ「自得」である。』(東洋の心)
『素行とはいうまでもなく、心ある人々がまず各々(おのおの)その位、すなわち立場々々に即して良心的に行動することである。』(天地有情)
『安岡正篤 人生手帖 古教に心を洗う』致知出版社
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君子は、富貴(金持ちで身分が高いこと)の境遇にあるときは、おごらず、その富貴を楽しむ。
貧賤(貧乏で身分が低いこと)のときは、その貧賤を楽しむ。
夷狄(外国)に行ったら、その国の風習に合わせ、それを楽しむ。
艱難(苦しいとき)にあっては、その艱難を楽しむ。
君子はいかなる境遇におかれても、それに不満を抱かず、矩(のり)をこえず、あたかも遊ぶように、淡々と毎日を過ごす。
それが、「楽しむ」という世界。
「立派な人物は、己に与えられた環境について、泣き言や、不平不満を言ったりはしない。
その置かれた場所で、精いっぱいの努力をし、それ以外のことは考えない。」
行徳哲男師は、こう語っている。
『「大事到来、いかにしてこれを避くべくや」という禅の公案がある。
「酷暑到来、酷寒到来、いかにしてこれを避くべきや」。
その答えは「夏炉冬扇(かろとうせん)」。
そんなに暑かったら囲炉裏にあたっておけ、そんなに寒かったら扇をつかっておけ。
暑いときには暑さの中へ入れ、寒いときには寒さの中へ入れ、そしてそれを突き抜けろ、ということである。』(感奮語録)より
絶体絶命の大事と出合ったら、逃げずにそこに入り込み、浸りきることが唯一の解決策だというのである。
逃げれば、不運が追いかけてくる。
つまり、「これより他に道はなし」、という気持ちになることだ。
まさに、「置かれた場所で咲きなさい」であり、「素して行い、自らを得る」だ。
「素行自得(そこうじとく)」という言葉を胸に刻みたい。
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安岡正篤師の心に響く言葉より…
『君子は其の位(くらい)に素して行ひ、その外(ほか)を願はず、富貴(ふうき)に素しては富貴に行ひ、貧賤(ひんせん)に素しては貧賤に行ふ。
夷狄(いてき)に素しては夷狄に行ひ、患難(かんなん)に素しては患難に行ふ。
君子入(い)るとして自得せざるなし。』(中庸)
『意気地なく、或いは卑怯に、現実逃避しないで、正直に、着実に、勇敢に、現在の境地に立脚して勇往邁進(ゆうおうまいしん)してゆくことを「素行」という。
素行してはじめて人間は自己を把握することができる。
これ「自得」である。』(東洋の心)
『素行とはいうまでもなく、心ある人々がまず各々(おのおの)その位、すなわち立場々々に即して良心的に行動することである。』(天地有情)
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君子は、富貴(金持ちで身分が高いこと)の境遇にあるときは、おごらず、その富貴を楽しむ。
貧賤(貧乏で身分が低いこと)のときは、その貧賤を楽しむ。
夷狄(外国)に行ったら、その国の風習に合わせ、それを楽しむ。
艱難(苦しいとき)にあっては、その艱難を楽しむ。
君子はいかなる境遇におかれても、それに不満を抱かず、矩(のり)をこえず、あたかも遊ぶように、淡々と毎日を過ごす。
それが、「楽しむ」という世界。
「立派な人物は、己に与えられた環境について、泣き言や、不平不満を言ったりはしない。
その置かれた場所で、精いっぱいの努力をし、それ以外のことは考えない。」
行徳哲男師は、こう語っている。
『「大事到来、いかにしてこれを避くべくや」という禅の公案がある。
「酷暑到来、酷寒到来、いかにしてこれを避くべきや」。
その答えは「夏炉冬扇(かろとうせん)」。
そんなに暑かったら囲炉裏にあたっておけ、そんなに寒かったら扇をつかっておけ。
暑いときには暑さの中へ入れ、寒いときには寒さの中へ入れ、そしてそれを突き抜けろ、ということである。』(感奮語録)より
絶体絶命の大事と出合ったら、逃げずにそこに入り込み、浸りきることが唯一の解決策だというのである。
逃げれば、不運が追いかけてくる。
つまり、「これより他に道はなし」、という気持ちになることだ。
まさに、「置かれた場所で咲きなさい」であり、「素して行い、自らを得る」だ。
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