人の心に灯をともす 4635 いまこそ知りたいDX

【いまこそ知りたいDX】4635



石角友愛(いしずみともえ)氏の心に響く言葉より…


日本では、1.デジタイゼーション、2.デジタライゼーション、3.デジタルトランスフォーメーション(DX)を混同している人が多い。

というよりも、この3つをすべてまとめてDXと言ってしまっている。

ここで説明するのは、単に言葉の意味だけではない。

この3つの段階の概念を明確にすることは、DXの本質を理解することにつながるはずだ。


まず、デジタイゼーションとは、「アナログからデジタルへの移行」を指す。

IT業界で著名なアナリストであるジェイソン・ブルームバーグは、デジタイゼーションについて以下のように述べている。

「デジタイゼーションとは、アナログ情報を取得して0と1にエンコードし、コンピューターがそのような情報を保存、処理、および送信できるようにすることだ。たとえば、手書きまたはタイプで書かれたテキストをデジタル形式に変換することは、デジタイゼーションの例であり、LPまたはビデオやVHSテープから音楽を変換することも同様である」

ここでもわかるとおり、デジタイゼーションとは、ツール導入による手作業の自動化やペーパレス化などを指す。

日本で議論されてきた、「ハンコのデジタル化」などは、このデジタイゼーションの段階である。

デジタイゼーションを導入する対象は、主に社内の作業工程(会計、営業、カスタマーサポートなど)が当てはまる。

ただし、このデジタイゼーションでは、省人化、最適化することによるコスト削減がメリットになり、今までに存在しなかったシナジー効果などを期待できる段階にはない。



デジタイゼーションが「アナログからデジタルへの変換」だとしたら、デジタライゼーションは、デジタル化されたデータを使用して、作業の進め方やビジネスモデルを変革することだ。

ガートナーの定義によると、「デジタイゼーションされた情報やデジタル技術を活用し、作業の進め方を変え、顧客や企業の関与と相互作用の方法を変革し、新しいデジタル収益源を生み出すこと」を指す。

ツール導入などの表面的な話ではなく、より複合的で本質的なビジネスモデルとコアのデジタルによる変革を示すのである。



デジタイゼーションとデジタライゼーションが技術に関する変革を指すのに対し、DXとは、主に人や組織に関する変革を指す。

デジタライゼーションにより実現された新たなビジネスモデルとコアビジネスのデジタル変革を恒久的なものへと変えるためには、人の変化が必要不可欠になる。

この場合の「人」には、顧客、エンドユーザー、消費者、協力会社、社員などが当てはまる。

DXを進めるには、KPI(重要業績評価指標)や評価制度の見直し、抜本的な組織変更と役割変更が必要となり、その変更に伴う人の管理が必要になってくる。

DXは経営者が自ら舵を切って会社の文化や体制を変えていくことで始めて実現される抜本的構造改革なのである。


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本書に具体例として東京都庁の話があった。

『東京都のDXを進める宮坂副都知事(元ヤフー代表取締役社長)のDXに関する考えはやはり、デジタイゼーション、デジタライゼーション、DXの3段階で説明されている。

東京都は2020年時点で、デジタイゼーションの段階であり、2023年までにデジタライゼーションの段階まで進むことを目標としている。

ITツールの導入というデジタイゼーションは、将来のデジタライゼーション、その先にあるDXの実現にとって必要条件のひとつであることだ。

ただし、十分条件ではないし、同義語でもない。

そして、その過程は長く時間がかかるものであるとの認識も忘れてはならない。』


そして、こんな興味深い話があった。

『アメリカでは、「ウーバナイズ」や「アマゾナイズ」といった言葉がよく使われる。

ウーバーやアマゾンのような革新的な存在の会社が登場し、業界が根本的に改革されることを「ウーバナイズ」や「アマゾナイズ」というわけだ。

「自分たちの業界がウーバナイズされるとしたら?」という問いかけは、新しいビジネスモデルの発想につながる。

ベインコンサルティングによれば、ある業界が新しい企業によってルール変更を余儀なくされるケースには、3つの要因がある。

1.(自分たちの商品やサービスよりも)コストが安い競合商品が登場する場合

2. 顧客体験が良くなる場合

3. 新しいビジネスモデルが生まれた場合

ちなみにウーバーは、この3つのすべてに当てはまるといえる。

そのために、アメリカのタクシー業界が消滅危機に陥っているのだ。』


海外でウーバーに乗ってみるとわかるが、言葉を一つも発しなくても目的地に到着し、料金が明瞭であり、お金のやりとりがない、しかも運転手の評価もしっかりしている、という安心感が抜きんでて優れている顧客体験といえる。

一度ウーバーに乗ったら、今までのタクシーには乗りたくないと思うほどだ。

つまり、ウーバーのビジネスモデルには3つの要因がすべて含まれている。


自分の業界がウーバナイズされたらどうなるか、問いかけは常に必要だ。

つまり「パラダイムシフト」が起きたらどうするか、ということ。

パラダイムシフトとは、トーマス・クーンの学説で、その時代には当然と思われていた常識や考え方、価値観などが、ガラリと音を立てて崩れ、劇的に変化することをいう。


DXのことを学び続ける人でありたい。






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