人の心に灯をともす 4732 「にもかかわらず」笑顔で生きる

『「にもかかわらず」笑顔で生きる』4732



渡辺和子氏の心に響く言葉より…


修道者であっても、この世に生きている限り、煩わしいことに無縁であろうはずはなく、生身の人間である限り、傷つかないで生きていられるものではない。

いうも恥ずかしいような些細なことで心が波立つことがある。

先日も仕事を終えて修道院に戻り、廊下を通りながら「ただいま」と挨拶したのに、話し合っていた二人のうちの一人は、「お帰りなさい」といってくれたが、 もう一人は、何もいってくれなかった。

こんなことで傷ついてどうすると、よくわかっていながら、そんなことで心の中が波立つ自分を持てあましたのだった。


傷つきたいなどと夢にも思わない。

でも私は、傷つきやすい自分を大切にして生きている。

何をいわれても、されても傷つかない自分になったら、もう人間としておしまいのような気がしているからだ。

大切なのは、傷つかないことではなくて、傷ついた自分をいかに癒し、その傷から何を学ぶかではないだろうか。


思いやりというのは、自分の思いを相手に“遣る”ことだろう。

私が、挨拶を返してもらえなくて淋しかった、辛かったその思いを大切にして、「だから、他人が挨拶した時には挨拶を返してあげよう」と心に決めること、それが思いやりなのであって、それを可能にするためには、心のゆとりが要る。


このような心のゆとりをつくることを、私は若い時に一人の人から教えられ た。

その人は、傷だらけの自分に愛想をつかしていた私を優しく受け入れ、“傷 口”に包帯を巻いてくれた。

さらに、傷つくことを恐れなくてもいいこと、一生の間には何度も挫折を味わうだろうが、その度に立ち上がること、そして人間には、自己治癒力が与えられていることも教えてくれたのだった。

その時以来、私は強くなった。

傷ついても大丈夫という思いが心にゆとりをつ くり、傷から目をそむけることなく、自分で手当てすることを覚え、さらに他人 の傷に包帯の巻ける人になりたいとさえ思うようになった。

心に一点の曇りもない日など、一生のうちに数えるほどしかないのだ。心の中が何となくモヤモヤしている日の何と多いことだろう。


“にもかかわらず”笑顔で生きる強さと優しさを持ちたいと思う。

私の不機嫌は、立派な“環境破壊”なのだと心に銘じて生きねばなるまい。

私たちは、ダイオキシンをまきちらしてはいないだろうか。

他人、特に子どもたちの吸う空気を、自分の不機嫌で汚してはいないだろうか。

傷つきやすい、柔らかな心を大切に、そんな心しか持っていない自分をいとおしみながら、周囲の空気を少しでも温め、清浄なものにしてゆきたい。


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渡辺和子氏は「他人の痛みを思いやる」ことについてこう語る。


『「人の痛みのわかる子どもになってほしい」という言葉が、ひんぱんに聞かれる ようになったのも、自分中心に生きて、他人の痛みに無関心な人々、または、他 人を痛めつけ、苦しめて面白がる、心ない人々がふえている世相を反映しているといっていいでしょう。

では、どうしたら他人の心の痛みがわかる人間になれるのでしょうか。

答えは、自分が痛みを経験し、そこから思いやりの心を育てることにあります。

「我が身をつねって、人の痛さを知れ」と母は口癖のようにいっていたものです。

「つ ねってはいけません」というお説教ではなく、「人をつねるなら、まず自分でその痛みを味わった上でしかしてはならない」ということだったのでしょう。

ですから、私たちの心が傷つけられ、痛めつけられる機会も、満更捨てたものではないのです。

そのおかげで、私たちは他人の痛みを思いやることができる人間に、なろうと思えばなれるのですから。』


我々は、誰かの心ないひとことで、傷ついたり、心がザワザワして眠れなかったり、不安になったり、嫌な気持ちになったりする。

それを「気にしないこと」、もっと言うなら「気にならないこと」が一番いいのだが、ネガティブな心を引きずってしまうことは多い。

しかし、その傷つけられたり、痛めつけられた経験があるからこそ、他人の痛みを思いやることができる。


逆に、何をされても何も感じない、傷つかないという、鈍感で無神経な人だとしたらどうだろう。

相手のちょっとした変化にも気づかない、気配りがない、気持ちがわからない、察しが悪い、真の危機に気づかない、等々の人だ。

すると、他人の痛みがわからない無神経な人となる。


我々に起こるすべての困難なことは、自分を高めてくれる神様からの大切なギフトだと思うなら、厳しいことも自分の糧にすることができる。

それは、乗り越えることができる人にしかやってこないからだ。


「にもかかわらず」、笑顔で生きることができる人でありたい。





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