人の心に灯をともす 4757 働く人を成長させてくれる仕組

【働く人を成長させてくれる仕組】4757



高野登氏の心に響く言葉より…


伊那食品工業という、経営者の間ではよく知られた素晴らしい会社があります。

そこの社是、哲学は、「いい会社をつくりましょう」。

その哲学のもと、40数年間、増収増益増員を続けています。

この半世紀、日本の経済状況は大きく揺れていますが、この会社はぶれません。

それだけ、根っこがしっかりしているということです。

その社是が刻まれた石碑の裏には、塚越会長が敬愛する二宮尊徳翁の「遠くをはかるものは富み、近くをはかるものは貧す」の言葉が刻まれています。


伊那食品工業を初めて訪れたとき、たまたま目に入った24、5歳の女性社員に尋ねました。

「この会社の課題は何だと思いますか?」と。

その問いに、なんと彼女はこう答えました。

「自分が成長していないことです。私がこの会社の課題です」


ふつうの会社の若い社員とは視点が違うのです。

現場の人がみな、会社のことを本気で考えているのです。

新入社員からして、すでに大人なのでした。


伊那食品工業には毎年、20数名の新入社員が入社します。

それでも入った瞬間、企業哲学が身につくのは、社内でそれが「当たり前」のレベルになっている からでしょう。

ちなみに20数名の募集に対して、多い年で8000名、少ない年でも4000名の応募があるそうです。

「いい会社」 であることが、全国に知れ渡っている何よりの証拠だと思います。


このように言うと、ずっと変わらぬ伝統を守り続けている会社のように思われるかもしれませんが、じつはそうではありません。

むしろその逆と言ってもいいかもしれない。

つまり、つねに進化し続けているのです。

優れた技術力に裏打ちされた研究開発で、次々と新商品を送り出しています。

伺うたびにいつもどこか新しい試みを行っています。

そこにも社員の主体性を 感じます。


いわば枝や花の様子はいつも変わっている。

ときには、接ぎ木をして新しい枝に新しい花が咲いているかもしれない。

それでもぶれないのは、根っこがしっかりしているからなのです。



根っこがしっかりしていれば、周囲の変化を受け止め、自らも変化していくことができます。

「生き残るものとは、強いものでも、賢いものでもなく、変化に対応できるものである」と言ったのは、進化論のダーウィンですが、現代は変化に対応するだけでは生き残ることも進化することもできません。

自ら変化をつくり出していかなければならないのです。

パーソナルコンピュータの父と呼ばれたアラン・ケイもこう提唱しています。

「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すことである」

そのためにも、根っこである企業哲学や理念がしっかりしていることが必須なのです。


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高野氏は本書の中に「働く人を成長させてくれる仕組み」という文章がありました。


『私は、リッツ・カールトンの前にいくつかのホテルで仕事をしてきました。ヒルトンホテルもそのひとつです。

ヒルトンというのは、かつては「ヒルトン学校」といわれたほど、優れたホテルマンを育てる場として知られていました。

単なるワークフォース(労働力)をつくっていたのではなく、ヒルトン出身であるという誇りを持ったホテルマンを養成していたのです。

ヒルトンを辞めたときには、次のような「証書」をいただきました。

「あなたが働いてくれたことに我々は感謝し、敬意を表します。もし、あなたが 将来もう一度ヒルトンで働きたいと思ったら、いつでも再び採用することを約束します」

感動しました。

いまにして思えば、ヒルトンの最高の時期にそこで働けたことに、本当に感謝しています。

その後、ニューヨークのプラザホテルで働きました。

当時プラザは、ウェスティンホテルの傘下にありましたが、1980年代当時、アメリカでもっとも働きたい会社ベスト100に、IBMなどと並んで入る会社でした。

けっして給料がよかったわけでもありません。

ではなぜ働きたい会社ランキングに入っていたのか?

ヒルトン同様、働く人を成長させてくれる仕組みができていたからです(いまは経営母体も変わり、当時とは違うようですが)。

すなわち、一人ひとりの才能を見つけ出し、その才能をもっとも生かせる場所を探して配属し、そこで才能を伸ばしていく、という仕組みです。

いわゆる適材適所を超えて、一人ひとりの力をできうる限り磨き上げることを組織全体で行っていたのです。』



「ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」(ダイヤモンド社)の中にこんな一節がある。


『アライアンスの関係は、雇用主と社員が「どのような価値を相手にもたらすか」に基づいてつくられる。

雇用主は社員に向かってこう明示する必要がある。

「当社の価値向上に力を貸してほしい。当社も“あなた”の価値を向上させよう」

ベイン・アンド・カンパニーのチーフ・タレント・オフィサー、ラス、ハーゲイも、新入社員や社内のコンサルタントに向けて同じことをいっている。

「我が社は君たち(一般的な労働市場で)の市場価値をさらに高めるつもりだ」

一方で、社員は上司に向かって次のように明示する必要がある。

「私が成長し活躍できるように手を貸してください。私も会社が成長し活躍するための力になりましょう」

社員は会社の成功のために時間と労力を投入し、会社はその社員の市場価値向上のために時間と労力を投入する。』



まさに、社員と会社のあるべき姿がここにある。

社員の成長に手を貸すのが会社。

そして、社員は会社の成長のために活躍する。


働く人を成長させてくれる仕組がある会社や組織をつくり上げたい。





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