人の心に灯をともす 5461 助けた時は「ありがとう」

【助けた時は「ありがとう」】5461



脳科学者、中野信子氏の心に響く言葉より…



運のいい人は他者を蹴落としてひとり勝ちしようとする人でなく、他者と共に生きていこうとする人です。

運を味方につけるには、日々の生活の中で、他者を思いやり、理解し、助け、利他行動をとるのが大事、ということです。


ところで、自分以外のだれかを助けるときに心がけたいのが、「ありがとう」という気持ちを抱くことです。

「ありがとうと言うのは助けられる側では?」と思うかもしれませんが、感謝の気持ちを抱くべきなのは助ける側なのです。


人間の脳には、前頭前野内側部と呼ばれる部分があり、ここは自分の行動の評価を行っています。

人をだまして自分だけが得をするようなこと、たとえば仲間を蹴落として自分だけが出世したり、あるいは電車の中で目の前にお年寄りが立っているのに気づかないふりをしてしまったりしたら、「悪いことをしたな」と心が痛むのではないでしょうか。

逆に、仲間を思って行動したときや、お年寄りに席を譲ったときなどは「よいことをしたな」とよい気分になります。

このように、自分の行動のよしあしを判断するのが前頭前野内側部です。


そしてこの部分が「よい行動だった」と判断すると、脳内の報酬系が刺激されて「ああ、よいことをして気分がいい」「私ってえらいな、すごいな」と思えるのです。

だれかを助けたときには、当然「よい行動」と判断され、気分がよくなるでしょう。

また、助けた相手から「ありがとう」「あなたのおかげで助かった」などと感謝されること(社会的報酬を得ること)も少なくありません。


他人のために何かをするには、時間や労力、ときにはお金が必要で、一見、自己犠牲を払っているように思える場合もあります。

しかし実際は、他者を助けることで気分がよくなり、ときには社会的報酬さえも得ているのです。


人はだれかから何かをしてもらうと、「借り」をつくってしまった気持ちになり、その状態のままでいるのが非常に嫌なのです。

だれかを助けるというのは、相手をそういう気持ちにさせることなのです。

つまり、相手の気持ちに負担をかけていることも忘れずにいたいものです。

「助けてあげる」というより、「助けさせてもらう」という謙虚な気持ちを抱くことが大事、といえそうです。


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釈迦は、ある時弟子たちに向かって、「貧しい人たちの家を托鉢(たくはつ)してまわりなさい」と言ったという。

弟子たちは驚いて、「それは、貧しい人たちではなく、お金持ちの家の間違いではないでしょうか」と聞き返したという。

釈迦は、「貧しい人たちは、人に与えたり尽くすことを知らないから、いつまでも貧しいのだ。金額の多寡(たか)ではなく、その気づきのための托鉢なのだ」と。


寄付をしたり、支援したりすることは、実は「ありがたい」こと。

これは、他人を「助ける」ことも同じ。


「助けさせてもらう」という気持ちで…

助けたときは「ありがとう」と心の中でつぶやきたい。






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