人の心に灯をともす 5467 徳をつくる
【徳をつくる】5467
藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
こういう話を聞いて慄然(りつぜん)としたことがある。
アメリカの家系調査報告に残る記録である。
ジュークは一七二〇年ニューヨーク州に生まれた。
怠惰な無頼漢であった。
一八七七年の調査では、彼の家系は六代を経る中で約千二百人の怠け者、背徳漢、漁色(ぎょしょく)、貧窮、病弱、知的障害、精神病者、犯罪者が生まれた。
この間、三百人が嬰児(えいじ)期に死亡、四百四十人が病的な行為で肉体的に破滅、前科者は百三十人で、六十人が窃盗、七人が殺人。
手に職をつけたのはわずか二十人だった。
ジュークと同年代に生まれたJ・エドワードは代表的清教徒で神学者。
一九〇〇年に彼の家系は千三百九十四人を数えた。
そのうち三人が大学総長、六十五人が大学教授および学校長、百人以上が牧師や神学者、七十五人が陸海軍将校、法律家は百人以上、公職についた八十人の中には 副大統領が一人、上院議員が三人、ほかに知事、下院議員、市長、公使などがいる。
十五の鉄道、多数の銀行、保険会社、産業会社などがこの家系の人びとによって運営されていた。
一人の人間の徳の有無がいかに大きな影響を及ぼすか。
私たちは肝に銘じなければならない。
安岡正篤師はその著書『人物を修める』で、人間を人間たらしめる要素には本質的要素と付属的要素がある、と説いている。
本質的要素とは 徳性であり、徳性とは明るさ、清(さやけ)さ、人を愛する、尽くす、恩に報いる、誠実、正直、勤勉、などの貴い心の働きのことである。
それに対して、知識、知能、技能などは徳性の発露を助ける付属的要素である。
しかし、徳の本質的要素が欠如したり希薄に傾けば、付属的要素は偽(ぎ)や奸(かん)や邪(じゃ)に陥る、と教えている。
天地の大徳を生という、と『易経』はいう。
人は天から徳を授かってこの世に生まれる。
人は誰でも有徳の子なのである。
だが、耕されない沃野(よくや)が荒野と化すように、陶冶(とうや)がなければは乾涸(ひから)び、涵養(かんよう)されない。
常につくり続けなければ、徳は育たないのだ。
では、いかにして徳をつくるか。
田舞徳太郎氏がその近著『人財育成のすすめ』で三項目を挙げている。
1.熱意(自分を磨こう、人の役に立とう、立派な会社をつくろう、といった熱い意志)
2.知識(いくら熱意があっても知識を磨かない者は仕事を全うすることも人間的に成長することもできない)
3.場を生かす(与えられた場でベストを尽くす)
がそれである。
この三項目の実践によって徳はつくられる、というのだ。
至言であろう。
『小さな人生論 2』致知出版社
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徳をつくる3つの方法。
1.「成功というものには、いろいろな要素があるが、そのなかでとくに大事なもの、それは熱意だと思う」とデール・カーネギーは言った。
また、松下幸之助翁は、熱意についてこう語っている。
「なまじ知識があると、しゃにむに突進する気迫が、のうなります。しかし“断じてやる”と決めて、やってみれば、案外できるものです。鉄をも溶かす熱意があれば、何とか知恵がわくもんです」
2.そして、知識を磨くとは、学び続けること。
安岡正篤師は「人間は学び続けなければならない。学ぶことをやめたら、人間でなくなる」といったという。
3.渡辺和子氏の「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がある。
蒔(ま)かれた種は、文句を言わず、その場でただひたすら咲くしかない。
だからこそ、置かれた場所で咲く花は強く美しい。
稲盛和夫氏はそれを「どんな環境にあろうとも 真面目に一所懸命生きること」と言った。
まさに、「場を生かす(与えられた場でベストを尽くす)」ことだ。
徳をつくり、子孫に良き影響を与える人でありたい。
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藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
こういう話を聞いて慄然(りつぜん)としたことがある。
アメリカの家系調査報告に残る記録である。
ジュークは一七二〇年ニューヨーク州に生まれた。
怠惰な無頼漢であった。
一八七七年の調査では、彼の家系は六代を経る中で約千二百人の怠け者、背徳漢、漁色(ぎょしょく)、貧窮、病弱、知的障害、精神病者、犯罪者が生まれた。
この間、三百人が嬰児(えいじ)期に死亡、四百四十人が病的な行為で肉体的に破滅、前科者は百三十人で、六十人が窃盗、七人が殺人。
手に職をつけたのはわずか二十人だった。
ジュークと同年代に生まれたJ・エドワードは代表的清教徒で神学者。
一九〇〇年に彼の家系は千三百九十四人を数えた。
そのうち三人が大学総長、六十五人が大学教授および学校長、百人以上が牧師や神学者、七十五人が陸海軍将校、法律家は百人以上、公職についた八十人の中には 副大統領が一人、上院議員が三人、ほかに知事、下院議員、市長、公使などがいる。
十五の鉄道、多数の銀行、保険会社、産業会社などがこの家系の人びとによって運営されていた。
一人の人間の徳の有無がいかに大きな影響を及ぼすか。
私たちは肝に銘じなければならない。
安岡正篤師はその著書『人物を修める』で、人間を人間たらしめる要素には本質的要素と付属的要素がある、と説いている。
本質的要素とは 徳性であり、徳性とは明るさ、清(さやけ)さ、人を愛する、尽くす、恩に報いる、誠実、正直、勤勉、などの貴い心の働きのことである。
それに対して、知識、知能、技能などは徳性の発露を助ける付属的要素である。
しかし、徳の本質的要素が欠如したり希薄に傾けば、付属的要素は偽(ぎ)や奸(かん)や邪(じゃ)に陥る、と教えている。
天地の大徳を生という、と『易経』はいう。
人は天から徳を授かってこの世に生まれる。
人は誰でも有徳の子なのである。
だが、耕されない沃野(よくや)が荒野と化すように、陶冶(とうや)がなければは乾涸(ひから)び、涵養(かんよう)されない。
常につくり続けなければ、徳は育たないのだ。
では、いかにして徳をつくるか。
田舞徳太郎氏がその近著『人財育成のすすめ』で三項目を挙げている。
1.熱意(自分を磨こう、人の役に立とう、立派な会社をつくろう、といった熱い意志)
2.知識(いくら熱意があっても知識を磨かない者は仕事を全うすることも人間的に成長することもできない)
3.場を生かす(与えられた場でベストを尽くす)
がそれである。
この三項目の実践によって徳はつくられる、というのだ。
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徳をつくる3つの方法。
1.「成功というものには、いろいろな要素があるが、そのなかでとくに大事なもの、それは熱意だと思う」とデール・カーネギーは言った。
また、松下幸之助翁は、熱意についてこう語っている。
「なまじ知識があると、しゃにむに突進する気迫が、のうなります。しかし“断じてやる”と決めて、やってみれば、案外できるものです。鉄をも溶かす熱意があれば、何とか知恵がわくもんです」
2.そして、知識を磨くとは、学び続けること。
安岡正篤師は「人間は学び続けなければならない。学ぶことをやめたら、人間でなくなる」といったという。
3.渡辺和子氏の「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がある。
蒔(ま)かれた種は、文句を言わず、その場でただひたすら咲くしかない。
だからこそ、置かれた場所で咲く花は強く美しい。
稲盛和夫氏はそれを「どんな環境にあろうとも 真面目に一所懸命生きること」と言った。
まさに、「場を生かす(与えられた場でベストを尽くす)」ことだ。
徳をつくり、子孫に良き影響を与える人でありたい。
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