人の心に灯をともす 5703 徳のない人からはどんな幸運も去っていく
【徳のない人からはどんな幸運も去っていく】5703
藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
運と徳といえば、 忘れられないことがある。
大分前になるが、たまたま乗った タクシーのドライバーから聞いた話である。
その人は本業が葬儀屋で、閑な時にタクシーの仕事をしているのだった。
ある時、五十歳がらみの一人の男性から母親の葬儀の依頼を受けた。
その後父親は息子の世話になるということで、 夫婦で蓄えた一億円を息子に譲渡した。
それから一年後に父親が亡くなった。
ところが息子は、 今度は葬儀をしない、 骨だけにしてほしい、という。
あなたは一億円を父親から譲られたのに どうして葬式を出さないのかと聞くと、実はあの一億円は自分で使ったり人に貸したりして、あっという間になくなってしまった、という答えだった。
この話が物語るものは何か。
徳のない人からはどんな幸運も去っていく、ということだろう。
古典に教えがある。
「皇天(こうてん)は親(しん)なし。
ただ徳をこれ輔(たす)く」天は人を選んで親しくしたりしない。
ただ徳のある人を助ける、と『書経(しょきょう)』にある。
『老子』も同じことをいう。
「天道(てんどう)は親なし。
常に善人に与(くみ)す」
東洋の古典は一致して運と徳は相関している、と説いている。
その人が持っている、あるいは培(つちか)ってきた徳分(とくぶん)に応じて、人はそれにふさわしい運命に出逢っていく、と教えている。
『人間における運とツキの法則』致知出版社
https://q.bmd.jp/91/119/1297/__no__
藤尾秀昭氏は「徳を高める」について本書の中でこう述べている。
『ではどうすれば、徳を高くすることができるのか。
そこに至る道程をズバリ示した言葉が『論語』にある。
「事を先にし、得るを後にするは徳を崇(たか)くするに非ずや。
その悪を攻(せ)めて人の悪を攻むることなきは慝(とく)を修むるに非ずや」
まずやるべきことをやる。
それによってどんな報酬があるかを考えるのは後回しにする。
それが徳を高めることになる。
自分のよくないところを攻めて、人のよくないところは攻めない。
それが自分の中に潜んでいる悪を修めていくことになる、というのである。
拳々服膺(けんけんふくよう)したい言葉である。
徳を修める上での大事な心得を『易経』も説いている。
「身に反(かえ)りて徳を修む」
困難に遭う。
失敗する。
そういう時は自分に原因がないかを反省する。
それが徳を修めることになるという。
松下幸之助氏はこの言葉を生涯実践した人である。
氏はいう。
「ぼくは物事がうまくいった時は皆のおかげ、うまくいかなかった時はすべて自分の責任と思っていた」』
そして、「与えられた環境の中で運命を呪わず、不平不満をいわず、最高裁善の努力をすること」だという。
「徳のない人からはどんな幸運も去っていく」という言葉を胸に刻みたい。
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藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
運と徳といえば、 忘れられないことがある。
大分前になるが、たまたま乗った タクシーのドライバーから聞いた話である。
その人は本業が葬儀屋で、閑な時にタクシーの仕事をしているのだった。
ある時、五十歳がらみの一人の男性から母親の葬儀の依頼を受けた。
その後父親は息子の世話になるということで、 夫婦で蓄えた一億円を息子に譲渡した。
それから一年後に父親が亡くなった。
ところが息子は、 今度は葬儀をしない、 骨だけにしてほしい、という。
あなたは一億円を父親から譲られたのに どうして葬式を出さないのかと聞くと、実はあの一億円は自分で使ったり人に貸したりして、あっという間になくなってしまった、という答えだった。
この話が物語るものは何か。
徳のない人からはどんな幸運も去っていく、ということだろう。
古典に教えがある。
「皇天(こうてん)は親(しん)なし。
ただ徳をこれ輔(たす)く」天は人を選んで親しくしたりしない。
ただ徳のある人を助ける、と『書経(しょきょう)』にある。
『老子』も同じことをいう。
「天道(てんどう)は親なし。
常に善人に与(くみ)す」
東洋の古典は一致して運と徳は相関している、と説いている。
その人が持っている、あるいは培(つちか)ってきた徳分(とくぶん)に応じて、人はそれにふさわしい運命に出逢っていく、と教えている。
『人間における運とツキの法則』致知出版社
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藤尾秀昭氏は「徳を高める」について本書の中でこう述べている。
『ではどうすれば、徳を高くすることができるのか。
そこに至る道程をズバリ示した言葉が『論語』にある。
「事を先にし、得るを後にするは徳を崇(たか)くするに非ずや。
その悪を攻(せ)めて人の悪を攻むることなきは慝(とく)を修むるに非ずや」
まずやるべきことをやる。
それによってどんな報酬があるかを考えるのは後回しにする。
それが徳を高めることになる。
自分のよくないところを攻めて、人のよくないところは攻めない。
それが自分の中に潜んでいる悪を修めていくことになる、というのである。
拳々服膺(けんけんふくよう)したい言葉である。
徳を修める上での大事な心得を『易経』も説いている。
「身に反(かえ)りて徳を修む」
困難に遭う。
失敗する。
そういう時は自分に原因がないかを反省する。
それが徳を修めることになるという。
松下幸之助氏はこの言葉を生涯実践した人である。
氏はいう。
「ぼくは物事がうまくいった時は皆のおかげ、うまくいかなかった時はすべて自分の責任と思っていた」』
そして、「与えられた環境の中で運命を呪わず、不平不満をいわず、最高裁善の努力をすること」だという。
「徳のない人からはどんな幸運も去っていく」という言葉を胸に刻みたい。
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