人の心に灯をともす 5293 殻を破ること

【殻を破ること】5293



精神科医、斎藤茂太氏の心に響く言葉より…


《古い自分のまま、「脱皮」できずにいる人》


脱皮をしながら成長する生き物がいる。

カニやエビやヘビ・・・・・・蝶々なども、きれいな羽を広げて飛び立つときには、サナギの固い殻を脱ぎ捨てる。


人間も、同じであろう。

ひと皮むける、という言い方がある。

殻を破る、という言い方もある。

人間としてひとつ成長するためには、これまでの自分から脱皮をする必要がある。


学校を卒業すること、就職、昇進、転勤、結婚、出産、そして子供の独立、退職・・・・・・こういう人生の転機を迎えることをきっかけにして、気持ちも新たになり、私たちは大きく生まれ変わることになる。

いわば人としての脱皮をするわけだ。


さて上手に転機を迎え、見事に生まれ変わることができる人がいる一方で、古くなった殻を上手に脱ぎ捨てることができずに、いまだに腰から下を殻に残したまま、ちぐはぐな日常と格闘している人もいる。

転職先で苦労する中高年、配置転換でパニックになってしまう人・・・・・・こういう人たちも、上手に自分の殻を脱ぎ捨てることができなかったのではないかと思うのだが、どうだろう?

知人の息子さんが、新しく社会人になった。

しかし、いつまでも学生気分が抜けず、夜遅くまで遊び歩いては次の日に遅刻をする、だらしのない格好で職場へいく、イヤなことがあるとすぐに「辞めたい」などといい出す・・・どう対処すればいいのか、親として困りはてているそうだ。

ある人は定年退職したが、現場でバリバリ働いていた頃への郷愁から、いつまでも抜け出せないでいる。

ちょくちょく当時みんなと通った酒場に顔を出し、そこにいる後輩たちに上司気取りで口を出しては、煙たがられる存在になっている。

家にいるときは新聞を読んでテレビを見てご飯を食べるだけだから、奥さんにも煙たがられている。


なぜ、そういうことになるのか。

これも、古くなった自分の殻を脱ぎ捨てられないということ、「捨てる力」が足りないということだ。


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「越境学習」という言葉がある。


法政大学大学院の石山恒貴教授は、越境学習を「自分にとってのホームとアウェイを行き来することによる学び」と定義している。

先の見えない「VUCA」の時代は、自ら「解」を見つけにいかなければならない。

先行事例や前例を踏襲していくだけでは到底追いつけていけないからだ。

そのために必要なのが、居心地のいい「コンフォートゾーン」を抜け出すこと。

勝手知ったる快適な空間、安心感のある安定した場所から外に出るということだ。


まさに、学校を卒業すること、就職、昇進、転勤、結婚、出産、そして子供の独立、退職というような、人生の転機はコンフォートゾーンを抜け出さなければならない。

知らない場所、初めての人間関係、初めてのステージや環境に身を置くこと。

それが、殻を破り、脱皮すること。

つまり、アップデートすることだ。


ステージが変わり、環境が変化したとき…

コンフォートゾーンを抜け出すことを恐れない人でありたい。






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