人の心に灯をともす 5723 人生でいちばん危険なこと

【人生でいちばん危険なこと】5723



竹内政明(まさあき)氏の心に響く言葉より…


《モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、 人生でいちばん危険なことは、 かなえられるはずのない夢が、 かなえられてしまうことなんだよ。》 ミヒャエル・エンデ (モモ/岩波書店)



ドイツの児童文学者ミヒャエル・エンデの代表作『モモ』は、人々から時間を盗む怪しい秘密結社にホームレスの少女モモが立ち向かうファンタジーである。

掲出(けいしゅつ)のセリフは、年長の友人ジジがモモに語る言葉。


数年前、世紀のスーパースターであったマイケル・ジャクソンが50歳で急逝したと聞いて、このセリフが胸をよぎった。

若くして富と名声を極め尽くしたその人の後半生が、数々の奇行と、絶えることなき醜聞 と、孤独の影をまとっていたことを思うとき、ジジの言う「人生でいちばん危険なこと」を 成し遂げてしまった人の哀しみに触れた気がする。


中国明代の随筆集、洪自誠(こうじせい)の『菜根譚』は説いている。


「花は半開を看(み)、酒は微酔に飲む。

此の中に大いに佳趣(かしゅ)あり。」



何ごとも極め尽くす半歩手前でとどめておくのが賢明なようである。

旅に出たときも、その土地の名所旧跡を残らず訪ねることはあるまい。

一つか二つ見逃して、「またいつか、ここに来たときに・・・」と、他日を期すのも楽しいものである。


《夢が持つ罠》


『心にジーンと響く108の名言』だいわ文庫
https://q.bmd.jp/91/119/1681/__no__





日本の古い寺社仏閣では、建物は完成と同時に崩壊が始まる、という考え方がある。

だから、一部をわざと未完成にしておく。

日光東照宮の陽明門には、模様が逆さまの「逆さ柱」や目のない「目貫きの龍」の彫刻がある。


岡倉天心は、茶道の本質は「不完全なもの」を崇拝することだ、と言っている。

千利休が唱えた「わびさび」も、そのあらわれだ。


徒然草の中にもこんな言葉がある。

『すべて、何も皆、事のととのほりたるは、悪しきことなり。

し残したるを、さてうち置きたるは、面白く、生き延(の)ぶるわざなり。』


何事においても完璧に仕上げるのは、かえってよくない。

やり残しがあった方が、面白く、味わい深い。



夢というのは、個人の願望だ。

利己的で自分本位なものが多い。

運の法則からすれば、個人の願望がかなえられたときには、その反作用がくる。

だから、授かった運や福に感謝し、福を人に分ける必要がある。


「勢い使い尽くすべからず」

という禅の言葉がある。

勢いがあり、うまくいっているときほど、丁寧に、慎重に行動し、調子に乗らないように自分を戒める。


「人生でいちばん危険なこと」という言葉を胸に刻みたい。






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