人の心に灯をともす 5435 信用される人

【信用される人】5435



新井正明氏の心に響く言葉より…



《其の身正しければ、命せざれども行わる

其の身正しからざれば、令すといえども従わず》 (論語)



これは、『論語』の子路第十三に出てくる言葉です。

その意味するところは「政治をするには上に立つ人の品行が第一、 その行状が正しくて衆人の模範になるようならば命令せずとも行われるが、不正をはたらきながら命令しても人民は服従しない」ということです。


伊藤仁斎は「これ聖賢、人を治むるの常法なり。かくの如くならずして能く人を治むる者は未だこれあらざるなり」と言っています が、この政治の要諦は会社経営にも通用いたします。

私はこの言葉が好きで、及ばずながら私自身行動の指針にしてきました。

私は社長になった時、上に立つものは率先垂範すべきだと思い、 朝は早く出勤することにいたしました。

そうすればほかの重役もみんな早く出てくるだろうと思いました。

ところが実際は必ずしもそうは参りません。


「令せずして行わる」は本当に難しい。

しかし「その身正しからざれば令すといえども従わず」というのは真理だとつくづく思いました。


昭和二十年、私が人事課長代理をしていた頃に、こんなことがありました。

大阪の空襲が激しくなった頃のことです。

人事課長が職員を集めて、「こういう非常時だから、みな早く出勤して一生懸命仕事をするように」と訓示いたしました。


人事課長としては当然のことでしたが、本人は必ずしも早く出勤しませんでした。

心臓が悪く、戦時下、交通不便の折でもありましたので無理だったのです。

側近にいた私はその事情は十分理解でき、課長に同情していましたが、「自分は遅く出てきて、人には早く出勤しろと言ってもねぇ・・・」という陰の声が聞こえてきました。

この言葉の真意をしみじみ考えさせられました。



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いつの時代も、市民は政治家を、部下は上司を、生徒は先生をよく見ている。

下の立場から見ると、手に取るように上位の人間の行動はわかる。

どんな偉そうなことを言っても、人は行動で見られる。

それも、日常の些細な行動で判断される。


「遅刻をしていないか」

「期日は守っているか」

「挨拶を先にしているか」

「ゴミは拾っているか」

「誰に対しても丁寧な言葉を使っているか」

「自分だけ得をしようとしていないか」

「人の見ていないところで手を抜いていないか」


そして、自ら言ったことを継続しているか。

長く続けているか。


それらすべてが、「誠実」「信頼」「正直」「本気」「真面目」「約束を守る」「責任感がある」「まわりの人への配慮がある」「人の話を聞ける」「感謝がある」といった徳目につながる。

それが、つまり、「信用される人」だ。

リーダーが「信用される人」なら、「令せずして行わる」。


信用は、「積み重ね」からしか生まれない。

どんなときも、信用される人でありたい。







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