人の心に灯をともす 5560 AIは知能の格差を広げる

【AIは知能の格差を広げる】5560



暦本(れきもと)純一&落合陽一氏の心に響く言葉より…


■AIは「友達」のような存在だという話がありましたが、一般的には「人間の仕事が奪われてしまう」などとAIと人間を敵対的な関係としてとらえている人も多いと思います。

AIと人間の関係性は、将来どのようになるのでしょう。

道具として使うものなのか、あるいは人間とAIが融合するようなイメージなのか。



【落合】 単なる道具よりは、身体的な存在だと思います。

ただ、昔の記憶を思い出すようにAIの思考が人間の頭の中に出てくるかとなると、そうなるまでにはちょっと時間がかかるでしょうね。

いずれにしろ、大事なのはうまく使うことです。

そもそも、仮に人間の知性が二極化したとしても、サルやネコと人類の差に比べたら、人間同士の差は誤差の範囲内。

その意味では、人類の知性はある意味でほぼ一定なんですね。

だけど、チャットGPTの登場以降、たとえばパイソンでそれまでの100倍以上のコードを書くようになった人は、すごく少ないでしょう。

人類全体の生産能力はものすごく上がったはずなのに、実際に生産する人類は少ないんですよ。

つまり、AIによって知性がまんべんなく行き渡っても、それを利用する人間は少ない。

オープンAIの人たちは「これで人類に知性を配り終えたから、格差は解消されるぜ」と真面目に考えている可能性があるけど、配ればみんな知性が高まるかというと、たぶんそんなことはない。



【暦本】 AIは人間の能力を拡張しますが、使うかどうかしだいで差は広がりますよね。

ポンコツの車しかなければみんな平等ですけど、全員がポルシェを持っていたら、その中でドライビングテクニックの差が生じるじゃないですか。

みんな昔よりも速く走れるようになるけど、差も大きくなっていく。



【落合】 いまの格差より、もっとタチの悪い格差になるかもしれません。



【暦本】そう考えると、知能の分布がベルカーブを描くというのも、じつはまやかしなのかもしれない。

何もテクノロジーを使わない生身の人間なら、身長と同じように知能も 正規分布するはずだけど、そこにテクノロジーが関わると現実には格差が生じる。

実際、 収入は正規分布せず、べき分布になりますからね。



【落合】 収入の少ない人が大勢いて、収入が多いほど人数が減る。

グラフにすると、左端がピークで、右下がりのロングテールになりますね。



【暦本】 生身のIQは正規分布するにもかかわらず、そのパフォーマンスの結果としての収入は、べき分布。

だから、すでにそこには格差があるんでしょうね。

農業だけの時代ならそうはならないけど、資本やテクノロジーが介在する社会では、差が極端に積み上がってしまう。

これからは、AIとうまくつきあえるかどうかで、ますます差は広がるような気がします。



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『正規分布』とは、平均値を中心とした左右対称な山型の分布で「ベルカーブ」とも呼ばれる。

また、『べき分布』とは、正規分布とは対照的に、中央値・最頻値が分布の左端に位置し、平均値という概念が意味をなさない。

パレートがこれを発見し「パレートの法則」として知られている。

たとえば、富の8割は人口の2割によって支配されるといったこと。

80:20の法則とも言われる。


chatGPT(生成AI)という大変革が生まれた今、これを学ぶか、学ばないかで今後大きな差が生まれる。

「AIは知能の格差を広げる」という言葉を胸に刻みたい。





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