人の心に灯をともす 5573 安易に若者を非難してはいけない

【安易に若者を非難してはいけない】5573



渡部昇一氏の心に響く言葉より…


《大人たちよ、安易に若者を非難してはいけない》


現代において「先輩」と目される人々は口を開けば必ず古今の学生気質の変遷をいろいろと話す。

それによると今日の学生は一般に気力が衰えたとか、活気に乏しいとか、豪放の気が失せたとか、敵愾心(てきがいしん)が薄らいだなどと批評する。


しかし、この批評があたっているかというと、必ずしもそうとはいえないのではないか、と渋沢はいう。

というのも、大人物が輩出するとか保守的人物ばかりが生まれるとかいうのは、多分に時代が影響しているのではないかというのである。


たとえば、元亀天正(げんきてんしょう)の戦国時代の人に比べれば、文学技芸が重んじられた元禄享保の人はおとなしい。

今の時代もそうで、明治維新の頃と比べると、性格が異なるのは仕方がない。

維新の元勲たちの気力というのは確かにすごかったが、それは明治維新前の狂瀾怒濤(きょうらんどとう)の時代を生き抜いてきたからであって、静かな海のように世の中が治まった世の中にあっては、勇敢、豪邁(ごうまい)な者よりも沈着精密が重んじられる。

その時代に生きる学生の気質がおとなしいものになってくるのは仕方のないことである。


昔がよかったからといって、昔のようにはなかなかいかない。

柔弱(にゅうじゃく)にならないように気をつけなければならないが、近頃の学生は昔の学生に比べて劣っているということは、簡単にいってはいけないのではないかというのが渋沢栄一の結論である。


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渋沢栄一は1840年に生まれ1931年に、91才で没した。

およそ100年近く前でも、「近頃の若い者は・・・」と言っていたということだ。

また、100年前どころではなく、700年前の鎌倉時代の「徒然草」にも、1000年前の平安時代の「枕草子」にも、この言葉が書かれていたという。

さらにもっと言うなら、2000年前の古代ギリシャの哲学者プラトンも、4000年前のエジプトでも、同様のことが言われていた。


それは、若い世代と、年寄りの世代では価値観が違ってしまうからだ。

これは1000年前でも、現代でも、いつの時代でも同じ。


昨今は、社会の変化が激しい。

特に、生成AIの変化はめまぐるしい。

自動運転も、ロボットも、量子コンピュータも、宇宙開発も、まさに数百年に一度の最新の技術によって世界は大きく変わろうとしている。

まさに一日経つと世界がガラッと変わってしまうような変化の速さに、ますます年寄り世代は遅れてしまう。


だからこそ、年配者は、安易に若者を非難しないためにも、最新の情報収集と勉強がますます必要となってくる。

「安易に若者を非難してはいけない」という言葉を胸に刻みたい。





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