人の心に灯をともす 5842 上手に歩く人は足跡を残さない

【上手に歩く人は足跡を残さない】5842



守屋洋(ひろし)氏の心に響く言葉より…


《善く行く者は轍迹(てつせき)なし》(善行無轍迹)


上手に歩く人は足跡を残さない。

立派な仕事を成し遂げた人ほど、これはおれがやった仕事だ、という記録を残さない。

社会に貢献するにしても目立たぬ貢献をしている。

価値ある功績とはそういうものだ、と『老子』は説く。


『老子』がつねに弱者の立場に立っていることを考えれば、この言葉の解釈はさらに広がりをもってくる。

世の中には、縁の下の力持ちのような、地味な仕事がたくさんある。

『老子』は、そういう仕事こそ価値がある、といいたいのである。


企業にしても、利益を上げ、脚光を浴びる部署にいる社員は、おれたちで会社はもっているんだ、と思いがちになる。

が、どんな豪華絢爛たる舞台も、裏方さんがいなければ日の目を見ない。

それと同じで、どんな企業も水面下の目立たない地味な仕事によって支えられている。

これは、理屈ではわかっていてもなかなか納得しにくいことかもしれない。


『老子』は、これ見よがしのパフォーマンスの類いをとことん排斥する。

組織を支えているのは、本当は地味な仕事をしている人たちなのだ、と認識すれば、おのずと謙虚にならざるをえないのである。


『中国古典一日一話』三笠書房
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現代は、ある意味、目立ってナンボの世界なのかもしれない。

SNSでは目立つため、日々、様々な投稿がある。

奇抜で、とがったような投稿だ。


しかし、本当にすごい人は目立たない。

真の実力がある人は、目立とうとしないし、威張ったり、大風呂敷を広げることもない。

そして、自分から宣伝することも、売り込むこともない。


お店だったら、たとえ路地裏の分かりにくい場所にあろうと、看板もないのに、わざわざ探し出して来てくれるような店。

これは人も同じ。


「潜行蜜用 如愚如魯(せんこうみつよう ぐのごとくろのごとし)」 という禅の言葉がある。

目立たぬよう、際(きわ)立たぬよう、誰がしたかわからないように、ひそかに淡々と、愚直に、日々自分のベストを尽くすこそが大事だ、ということ。

注目をあびたい、有名になりたい、などということは、この「潜行蜜用」の真逆にある言葉。


「上手に歩く人は足跡を残さない」という言葉を胸に刻みたい。




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