人の心に灯をともす 5951 埼玉の開業医とAIスタートアップ

【埼玉の開業医とAIスタートアップ】5951



医師、多田智裕(ともひろ)氏の心に響く言葉より…


「がんにかかったら、おしまいだ」そう思っている人が、日本ではまだ少なくないようです。

しかし実は、消化管のがんは早期発見し、その段階で治療すれば、助かる病気になっていることをご存じでしょうか。

ただ、発見が遅れると、生存率は大きく下がってしまいます。

早く見つからなかったがために、命を落としかねないのです。


大切なのはいかに早く発見するか。

日本人に多い胃がんにおいて、そのために有効なのが、内視鏡検査(胃カメラ)です。

鮮明な映像とともに胃の内部を映し出せる内視鏡検査だけが、胃がんを早期に確定診断(がんを疑う病巣の一部の組織や細胞を採り、顕微鏡で確かめてがんと診断すること)できます。


しかし、実際に内視鏡検査を行い、胃がんを見つけるのは、人間である医師です。

ここで起こりうるのが、残念なことに「見逃し」です。

そこで今、注目を浴びている技術が「内視鏡画像診断支援AI(人工知能)」です。

内視鏡専門医でも診断が困難な胃がんの画像等を大量にAIに学ばせると、AIが胃がんかどうか判別してくれるのです。


この内視鏡画像診断支援AIの研究開発に特化したスタートアップ企業「株式会社AIメディカルサービス」を2017年に設立し、代表取締役CEOを務めているのが私、多田智裕(ともひろ)です。

AIメディカルサービスは設立からわずか5年で、内視鏡AIの研究開発の医学論文では世界1位の被引用数を誇るようになりました。

内視鏡AIの研究開発では世界のトップランナーです。

それとともに、すでに130億円以上の資金を集めており、研究開発したテクノロジーを、日本のみならず世界の内視鏡医療現場に社会実装しようとしています。


消化管のがんの見逃しゼロを実現し、世界の内視鏡医療の未来をつくるのが、私たちの目標です。

私はこの会社を設立するまで10年以上にわたり、胃腸科肛門科クリニックの院長として、 診療と内視鏡検査に明け暮れる日々を送っていました。

東京大学医学部卒業後、外科医として5年間の研修を経て、外科専門医資格を取得したあと、2001年から東大大学院で腫瘍学を学び、34歳で卒業、博士号を取得しました。


ここまでは、医師としてはごくごく一般的なキャリアだったと思います。

しかし、そのあと私が選択したのは、自分が考える理想の医療を実践するために自分自身でクリニックを開業することでした。

当時、博士号取得後すぐに実地臨床だけを専門に行う開業医になることは、かなり異端の選択だったと思います。


『東大病院をやめて埼玉で開業医になった僕が世界をめざしてAIスタートアップを立ち上げた話』東洋経済新報社
https://q.bmd.jp/91/119/5531/__no__





多田智裕氏は「AIとの出会い」についてこう語る。


『2016年のある日、私は東京大学の松尾豊教授のAIについての講演を聴く機会に恵まれます。

「AIの画像認識能力が、ディープラーニング(深層学習)という技術により人間の能力を超えた」。

そう聞いて、激しい衝撃を受けました。

内視鏡検査はまさに画像認識そのものですから、これにAIを組み合わせたら、医療が間違いなく発展するだろう・・・そう確信しました。

「内視鏡画像×AI」というアイデアは、誰でも思いつくことです。

しかし、調べてみる と、医療分野でディープラーニングを用いたAIの活用例はまだ2つしかありませんでした。

眼底画像解析と、皮膚がんの画像解析だけです。

内視鏡画像に対する研究開発は、世界中どこを探しても報告されていなかったのです。』



画像認識はAIの中でも非常に進化が著(いちじる)しい分野で、各方面で実装化が進んでいる。


たとえば、医療の分野では、X線やMRIの画像診断。

セキュリティ分野では、空港や施設や雑踏での顔認識システム。

製造業では、不良品の検出や、建物や橋梁(きょうりょう)のひび割れ検出。

交通では、自動運転。

農業では、作物の熟成度や病害の判定。

小売りや流通では、無人レジや無人店舗、棚の在庫最適化、自動発注。

スポーツでは、審判等の画像判定。


このことは、つまり、内視鏡医の多くがそのうちに、AIに代わっていくということでもある。

それは、セキュリティ分野でも、自動運転による運転手や、スポーツの審判も同じだ。


また、AIによる影響は画像の分野だけでなく、アメリカでは新卒の働き口が今年はかなり減っている、という報道がある。

それは、法務や金融、証券、マーケティング、広告、メディア、設計、等々で顕著だ。

今後、ホワイトカラーの新卒の50%がAIに取って代わられる可能性がある、という報道もある。


「埼玉の開業医とAIスタートアップ」

AIの進化に遅れないよう、学びを深めたい。





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