人の心に灯をともす 5587 自ら彊(つと)めて息(や)まず

【自ら彊(つと)めて息(や)まず】5587



藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…


オーストラリアのエアーズロックは高さ三百四十八メートル、周囲九・四キロの巨大な一枚岩でできており、朝に夕に色合いを変える神秘的な景観は広く知られている。

十年以上も前になる。このエアーズロックに登った。

その折受けた鮮烈な印象が、いまも胸の奥に焼き付いている。

岩につけられた道を辿って登る途中だった。


ふと見ると、傍らに小さな花が一輪咲いていたのである。

美しかった。

なんという花なのかは知らない。

種が鳥に運ばれたものか、風に乗ってきたものか、僅か二、三ミリの岩の割れ目から細い茎を懸命に伸ばし、小さな花弁を精一杯広げていた。


あたりは乾燥地帯で空気は乾ききっている。

かんかん照りの日差しが容赦なく降り注ぐ。


そして岩の地肌。
植物の生育にこれ以上の悪環境はあるまい。


与えられた環境の中でひたすら生きるものは美しい。

私は命の本質に触れた気がして、こみ上げる感動にしばしわれを忘れた。


『易経』にいう。

「天行は健なり 君子は自ら彊(つと)めて息(や)まず」


天の運行は一瞬も休まず、止まることがない。

日月の運動も春夏秋冬のめぐりも、すべてそうである。

気分が乗るとか乗らないとか、暑いとか寒いとか、都合があるとかないとかで滞ったりはしない。


粛々とただひたすらに運行する。

この天地の大徳の現れである人間もまた、そうでなければならない。

環境がどうだろうと条件がなんだろうと、天の運行のように、自ら彊めて息まず与えられた命をひたすらに生きる。


それが命の本質であり、命を躍動させて生ききることなのである。

これは天が人間に託した根源的メッセージであると思う。


自ら彊めて息まず・・・古来から多くの人がこの言葉に発憤し、自己研鑽の道に勤(いそ)しみ、命を躍動させた。

私たちも天真(てんしん)を発揮させるべく、人生を突き進んでいきたいものである。


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「自彊不息(じきょうや)まず」という、易経の言葉がある。

自らすすんでつとめ励んで怠らないことをいう。

いくつになっても、常に、努力し、勉強し続けることだ。


論語の中にもこういう言葉が出てくる。「無倦(むけん)」。

倦(う)むことなかれ、ということ。

倦むとは、途中で、嫌にならず、あきることなく、コツコツと続けること。


蒔(ま)かれた種は、文句を言わず、その場でただひたすら咲く。

置かれた場所で咲く花は強く美しい。


「自ら彊(つと)めて息(や)まず」という言葉を胸に刻みたい。





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