人の心に灯をともす 5595 初心忘るべからず

【初心忘るべからず】5595



世阿弥(ぜあみ)の心に響く言葉より…



■《初心を忘れてはならない》

すべての物事に対して効果を発揮し、あらゆる問題を解決する教えがある。

「初心を忘れてはならない(初心忘るべからず)」ということだ。

この教えは、次の三つの形で伝えられている。


一、道を志しはじめた時の「未熟さ」を忘れてはならない。

二、キャリアに応じた、その時その時に抱く「感覚」を忘れてはならない。

三、何歳になろうと、初めてというものはある。そのときの感覚を忘れてはならない。


この三つは、あらゆるところに含まれている。




■《節目節目で感じたことを大切にする》


道を歩み習熟するまで、つまり若いころから、働き盛りをすぎ、老後に至るまでには、その時しかできない仕事をすることになる。

その時しか感じられない感覚を「時々の初心」という。

「時々の初心忘るべからず」。

節目節目に感じた感覚を忘れてはならないのだ。




■《年を重ねてからの「今」を大切にする》

命には終わりがあるが技術や成果の追求に終わりはない。

つまり、これまでいかなる技術を習得し成果を挙げたとしても、今の状態にふさわしいことを選択しなくてはいけない。

体の変化が大きい年齢だからこそ「今」の最善を求め精進すべきである。

それこそ「老後の初心忘るべからず」なのである。




■《どんなときも初心で臨め》

どんなことも、「自分は何も知らない」「何もできない」という初心者の心構えで臨めば、自分を磨き続けることができる。

それに年齢や立場は関係ない。

なにごとも無限に工夫していく姿勢をわれわれの奥義(おうぎ)として、子孫に伝える。


以上『花鏡』


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「初心忘るべからず」という格言を生み出したのが、室町時代(1300年代後半)の世阿弥。

また、世阿弥は、現代まで600年間演じ続けられる能楽の基盤を作った能役者であり、天才プロデューサーでもある。

作品には神道はもちろん、仏教や禅、儒教、四書五経まで含まれ、題材も日本書紀、源氏物語、平家物語、伊勢物語、万葉集、百人一首など、ただ引用するだけでなく独自の解釈や謎解きをするようなスピンオフ作品が数多く作られた。


能は旅人が見ている夢や脳内映像を展開するような発想で作られている。

その夢のモニターが能舞台。

能楽の物語は9割が目に見えない世界を描いている。

神、鬼、妖精など自然に対する畏怖。

地震や自然災害を象徴する神や龍神の出現、幽霊が思いを語るものなど幽玄の世界に進んでいく。

(以上本書前文より抜粋引用)



城山三郎氏は「人の魅力を作っているのは『初心』」だという。

生きていく姿勢としての初心。

初々しさ。

それは、謙虚さであり、いくつになっても学び続つける姿勢でもある。


「初心忘るべからず」という言葉を胸に刻みたい。






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